鉄樹、花を開くⅡ【相澤消太】 (ページ37)

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黒鉄side

塚内さんには“アインとして品格を落とすことはしない”と言ったが、正直、壊理を攫った犯人を見てどう怒りを抑えようか考えていた。だが今の私は、恐ろしく頭が冷えている。

「おかしなことを言うのね。怒り通り越して、呆れた」

女「私の本当の目的はこの子ではなく、貴方自身だということはわかってるんでしょ？」

「…」

すると女は指をパチンと鳴らした。それと同時に壊理の鎖が解かれる

女「鎖は切って上げたから、ほら、速く行きなさい？」

だが壊理は動かなかった。その理由は一つ、私が居るからだ。

「べンタブラック、壊理ちゃんと一緒に地上へ。私はこいつを拘束する。」

そう言って私はあえて女の方へ近づき、べンタブラックに壊理を迎えに行かせた

ペンタブラック「壊理ちゃん、行こう？」

壊理は小さく頷き、こちらを振り向くこと無くベンタブラックに抱かれて地上へ戻った。

女「プフッ、アハハハ！！」

腹が立つ馬鹿笑い。何がそんなにおかしいのか、何がしたいのか

「じゃあそろそろ拘束されてくれる？お望みなら力付くでも構わない」

女「せっかちねぇ、もう少しいいじゃない笑。私は以前死穢八斎會と関わってたの、個性消失弾の研究員としてね」

個性消失弾の、、研究員？？

私はその言葉を聞いた時、苛立ちからかドクンと心臓が打った。それに、なんだか視界が歪んでくる

ここにいたくない、気分が悪い

「悪いけど、あんたと一緒に居たくないわ」

女「…そんなの私もよ」

私は右手を彼女にかざし、鉄で拘束しようとした。

だが

「出ないっ？、」

女「アハハハッ!！ようやく表情が変わった！！焦るわよねぇ？！！個性が出ないんだから！！」

「まさか、、さっきの扉のっ！！」

女「大正解！！あの扉には個性消失弾と似たような効果を持たせて作ったの！！全身に回るまでもう少し時間がかかるかと思ってたんだけど、貴方かなり興奮していたのね！そんなに巡りが早いのは心臓が頑張ってくれていた証拠だもの！！アハハハ！」