鉄樹、花を開くⅡ【相澤消太】 (ページ23)

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相澤side

Aはテレビに耳を傾けながら飯を続けていたが、俺は一足先に食べ終わりTVに視線をやった。

40代男性《突然建物の奥の方からすごい音がして、ただ事じゃないなと思って逃げました。怖かったですね》

30代女性《火の手がどんどん広がる中、避難を呼びかける女性が走り回っていました。》

10代女性《爆発があって私、どうしたらいいか分からなくなって立ち尽くしてたんだけど、一人の女性がこっちから逃げて！！と、誘導してくれたんです。あの女性がアインだったんですね》

10代男性《一緒に来てた友達が頭ぶつけちゃって動けなくなったけど、アインが来てくれて運んでくれました。》

30代男性《アインが助けに来てくれたって思った時、元からファンだったってこともあるけど、心の底から安心したんです。》

少年《逃げようと思ったけどパパも居なくて、いつの間にか寝ちゃってたんだけど、アインが助けてくれたんだよ！目を閉じながら100数えられたらママに会えるって！僕頑張って数えたんだ！！そしたら本当にママに会えたんだ!》

その後も、アインを称賛するコメントが多かった。俺は一人一人の言葉を一字一句残さず見て聞いていく。

黒鉄「ふふっ笑」

突然Aが笑い出した

黒鉄「今日はすごく天気がいいね」

そう言ったAは幸せそうな顔をしていた。

黒鉄「後で散歩行こうよ」

「ああ、そうだな、笑」

黒鉄「ついでに猫カフェでも行く？？」

この一件から、アインに対する世間の目が少し変わった。街の外にも、アインを応援する人が増えた。

“化け物”とは言われなくなった。

そして新たに皮肉を込めてこう呼ばれる。

“怪物”と。

〜8年前の悪夢編・終〜