鉄樹、花を開くⅡ【相澤消太】 (ページ15)

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黒鉄side

「！！」

生きてる！！脈は弱いけど、間違いなく生きてる！

瓦礫を無理やり破壊すれば怪我をさせるかもしれない。

「あのコが通れるぐらいまで穴を広げて鉄でこっちに引き出す。」

…時間との勝負だ。

瓦礫の真下に居ないならさっきよりは無茶できる。私は作業効率を上げた

そして男の子の下に鉄を敷き、波のように動かしてこっちに寄せる。

頭をぶつけているかもしれないから慎重に。

セメントスさんを思い出せ。…繊細かつ巧妙に…

瓦礫の間近に来ると下から塔のように鉄を積み上げ、上の空間から引き出した

「っ、、来たっ！！」

私は少年を抱っこし、手を掴む

「亮介くん！亮介くん！！」

亮介「ん…」

とか亮介くんはか弱い声を出し、手を握り返してくれる。

「よく頑張った。お母さんのとこ戻ろう」

私は急いできた道を戻った

ガンッ

バンッ

瓦礫が降ってくる。

「くそっ、」

もう崩壊寸前か、、

避けてはいるが、衝撃までは逃げられない

相澤“コケるなよ”

「了解。」

亮介「ん…僕は、、」

「お、起きた？舌噛むからあまり喋らないほうがいいよ」

亮介「お父さんは、、」

「…大丈夫、無事だよ。」

亮介「良かった、、」

「…亮介くん、100数える間目をつぶってて？100の後にはお母さんに会えるよ」

亮介くんは少し微笑み、頷いた。私は更に急いで出入り口に向かう。

そんな中、こんなことを思った。

ああ、私、

“化け物でよかった。”