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黒鉄side
誕生日プレゼントはコートにした
相澤「何から何まで悪いな」
「そういう時は素直にありがとって言ってよ」
相澤「そうだな。ありがとう、A」
その時の相澤の顔は少し口角が上がっていて、小さな微笑みに胸が高鳴る
「ど、どういたしまして！」
相澤「着てみてもいいか？」
「もちろん！」
相澤はおもむろに立ち上がり、コートに手を通し始める
『あ、やばい』
コートに手を通す仕草も、私があげたものを身に着けているということも全ての状況が重なり、私は息をするのも忘れていた
相澤「どうだ？」
「…」
芦戸「めっちゃいい！！」
八百万「すごくお似合いですわ！！」
蛙吹「いつもとまた雰囲気が違っていて、とてもいいと思うわ」
山田「Aさん、ご感想は？笑」
ハッと我に返る
その笑みはなんだ山田！
みんなが私に視線を集めた
「…かっこいいじゃん」
全員「「！！」」
山田「かっこいいいただきました！！！！」
「うるさい！！」
相澤「これ、かなりあったかいな」ボソ
「ねぇ相澤」
相澤「なんだ」
「…ソファ座って」
私はコートを着た相澤に座ってもらい、私はその背後に立った
「ちょっとだけ、私の趣味に付き合ってよ」
相澤「？？」
私は相澤の髪の毛に触れる
相澤「！！」
周りの生徒たちはすごく物珍しそうに私達を見ているが、今はそんな視線どうでもよかった
今はただ、この世界に溺れていたい
私は簡単に髪の毛をまとめ終えると、手を止めた
相澤「…できたか？」
「うん、できた。ただハーフアップのお団子しただけだけど」
相澤は再び立ち上がり、こちらに振り向いてくれる
相澤「何か変わったか」
ドキン
相澤「A、？」
頭の処理が追いつかない
私のあげたコートに、私の結った髪
私の大好きなその優しい声と顔
全てが私へ向けられている
それが相澤を独占しているように感じて、たまらなかった
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作者名：やゆよ | 作成日時：2023年10月15日 18時
