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黒鉄side
テレビを見ている相澤とA組は、時々会話を挟みながら動画を楽しんでくれている
「…相澤ってさ、よく人の目を見て話すようになったよね」
山田「どうした？突然」
「ふと思っただけだよ」
山田「…そうだな。最初は俺たちに目も合わせなかったやつが今となっては生徒に自ら目線を合わせに行くんだから」
「教師、向いてたんだろーなー」
除籍大魔王であっても、これだけ生徒に慕われる教師は見たことがない
「…正直言うとね、二人から教師になるって話聞いた時、すっごく寂しかったの。」
山田「ん…」
「同じ方向見て走ってたつもりだったのに、ヒーロー一本なのは私だけなんだって。」
私達は作業は止めずに話しを続ける
「山田」
山田「ん？」
「教師って、かっこいいね」
山田「！」
「生徒と関わっている時の2人はすごく輝いて見える。フランクに生徒と会話しているかと思えば、真面目に生徒の未来のことで頭悩ませてさ、授業もあるのに必要があれば放課後まで生徒のことを見る。これプラスヒーロー活動って、、、ほんとすごいよ」
2人が教師の時は私と居るときとまた違った顔を見せる
どちらの姿でも相澤は相澤で、山田は山田なのにね
「今はこれで良かったと思ってる。私はアインに誇りを持ってるし、私達は、、自分が進むべく未来を自ら選択して歩んでるんだって胸を張って言えるから。」
山田「A…」
「だめだな笑、山田があまりにも聞き上手過ぎてなんでも話しちゃいそうだよ笑笑」
山田「そりゃどーも。」
「あの会見での相澤、かっこよかったな…」
林間合宿の会見だ
あれを見て、私はいかに教師が、いや、相澤が生徒のことを信頼しているのかを知った
普段とは違いまとめられた髪に、ビシッと決まった正装、完全にギャップだったな
山田「直接言ってやれよ、喜ぶぞ」
「私の心臓が保たないよ笑」
山田「…え？まっ、まさかお前！相澤のことっ！」
「さあ？どうでしょう？笑」
山田「ようやくか？！」
「だからなんのことかな〜？」
山田「えらく時間がかかったな」
「…そうだね笑」
相変わらず山田は察しが良い
そのとおりだよ
この気持ちはずっと名前がない状態で私の心に巣食ってた
体調が悪くて倒れたときも、私が感情的になったときも、相澤をみるといつも安心してしまう
文化祭でやっと気付かされたんだ
私、相澤の事好きだ
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作者名：やゆよ | 作成日時：2023年10月15日 18時
