鉄の抹消Ⅲ【ヒロアカ】 (ページ17)

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相澤side

俺と山田がトイレから戻ってきてもAはまだ帰ってきていなかった。トイレから出てくる女子に話を聞いたがAは居ないと言う。

山田「まだ帰って来てねぇな。どこ行ったんだ？」

「…探しに行こう」

俺たちは手分けしてAを探した

でもこの食事処のどこにも姿が見えない

山田と一度合流するためエントランスに行く

「いたか？！」

山田「いねぇ、帰ったわけでもないだろーに……っ！」

突然山田は、入口の方を見て驚いた

そして「…いた」と、指差す

その先には、自動販売機の隣にベンチがあって、Aが座っていた。

だが、、

　
「っ、」

黒鉄「――――っ(泣)」

Aは泣いていた

誰にもバレないようにここまで出てきて、一人で泣いていたんだ

「声、かけたほうがいいのか…」

山田「…」

結局俺たちは声を掛けなかった

1人になりたい時はある、勝手に理由をつけて…

俺たちが食事場に戻って5分後、Aは帰ってきた

泣いていたとは思えないほどいつも通りの表情だった

山田「袖、びしょびしょじゃねえか」

山田がそう云うも、

黒鉄「手洗う時にやらかしちゃった、笑」

俺達の前で決して涙を見せないやつだった

涙したことも言わないやつだった

俺はこの時のことをどれだけ後悔したことか。

あの時、Aはずっと俺のそばにいてくれたのに

優しく声をかけてくれたのに

俺は何もしてやれなかった

みんな、あいつの死を悲しんでいたはずなのにっ

・

・

・

そんな奴が俺達の前で泣いた

「もう二度と、同じ過ちは繰り返さない。」

Aが辛いなら、悲しいなら、俺はそばにいるよ

あの時、そうしてくれただろう？

〜文化祭編・終〜