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『口開けれって言いよーやろ、バカッ！』
ピクッ
ホークスの口が小さく開かれた。私はこのタイミングを逃すまいと、ホークスの頭を少し上げて支えながら口にユーカリ入りの葛茶を流し込む。
だが、口に含んでくれてもなかなか飲み込んでくれない。口の端からは漏れ出てきたお茶が流れ、布団にシミを作っていく。
『飲み込んで、、ごっくんするのっ！！』
すると私の叫び声が聞こえたのか、弱々しく彼の喉仏が上下した。私はきちんと飲めたのか、下顎を引っ張って口内に確認する。
『の、飲んだ…』
だがホークスにお茶を飲ませたからとて安堵するわけにもいかない。私は近くにいた看護師さんを呼び、火傷箇所に包帯を巻いていく。
そして、ようやく巻き終え彼をうつ伏せに寝かせることができたと思うと、
「枸橘さんっ！こっちに戻って！！」
私はすぐさまさっきまでのテントに戻らなければいけなかった。最後にホークスの髪をさらっと撫でる。
今まで空を見上げることしかできなかったのに、エンデヴァーが居ないと会話もできないほど遠い存在だったのに。私は今、こうして彼に触れられている。
かつての愛着からか、彼の名が喉元まで出てきたがくっと堪らえた。
命をかけてヒーローとして立派に動いた彼に似合う名前は“ホークス”だから。
『順番になれば勝手に病院に搬送させてもらいます。ゆっくり休んでくださいね、お疲れ様でした、ホークス。』
彼の顔は気絶しているからか包帯を巻いているからか痛みを忘れ、ただ眠っている。呼吸も安定している。
もう大丈夫。
私は彼の下から去り、再び戦場へと戻った。
一時間、二時間と時間が経てばどんどん処置台もベッドも埋まっていく。そして、どんどん怪我の重さが重くなっていった。
ギリギリまで戦っていたのだろう。
今まであまり気にしていなかったがふとした瞬間に思ってしまった。
ヒーローとは、なんて、なんて、
“残酷でかっこいい”のだろう。
残酷とは今まで己の目で見て思ったこの惨劇、“かっこいい”と思う自分はまだまだヒーローを他人事のように、“役者”のように思っている自分がいるのかもしれない。
だが彼らの生き様を見ると、あまりの惨さに顔は引きつりそうになるが、惹きつけられる。
『頑張れっ、ヒーローっ…』
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やゆよ(プロフ) - あわさん» あ、あわさん？！！大好きな作者様からコメント頂けてとても嬉しいです！“雄英のユーレイ”大好きです！！ありがとうございます！！ (3月29日 21時) (
レス) id: 1a6e7a7e08 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - ああもうほんっとに！！高評価一回じゃ押し足りない！！ (3月29日 21時) (レス) @page47 id: 62a4013b15 (このIDを非表示/違反報告)
やゆよ(プロフ) - ゆあさん» コメントありがとうございます！全力で頑張ります💪 (3月24日 21時) (レス) id: 1a6e7a7e08 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - めっちゃ面白いです（ ; ; ）投稿頑張ってください (3月24日 20時) (レス) @page23 id: ce509c1850 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やゆよ | 作成日時：2024年3月17日 9時
