10 ページ10
*
ミスリーは戦闘も申し分なかった。
基本スタイルは霧になりターゲットの背後を取り暗殺(じゃないときもあるよ)。もしバレたとしてもお得意の体術でくぐり抜ける。万が一、銃などの武器で反撃されても…
バンッ！！
弾の方向さえわかっていれば彼女は体の一部を霧化させ弾を避ける。物理的攻撃は攻撃さえ見えていれば彼女には当たらない
「びっくり人間だね」
『個性溢れる超人社会です、びっくり人間しかいませんよ』
「ハハ笑、確かに笑」
『ホークス』
「んー？」
『明日で私があなたのサポートを始めて1年になりますが………どうかしました？』
“サポートを始めて1年”
そういうことを気にするタイプだったことに驚きを隠せない。彼女はそれを不思議に思った
「…いやなんでもないよ、」
少し嬉しくなって口元が綻ぶ。このままご飯にでも誘おうかと思い口を開いた矢先、彼女が先に話しだした。
『私は会長との契約で1年に1度お休みを頂いています。明日、休みをもらってもよろしいでしょうか？』
「……休み？」
彼女らしからぬワードが出てきた。365日24時間フル稼働しているようなAちゃんが有給をとる。
それに会長との“契約”？
「休みは全然構わないけど、どこか行くの？」
『はい。』
「聞いてもいい？」
Aちゃんは口元に手を当て少し間を開けてから、“ミスリーの仕事”と言った
休みがほしいと言うのに“仕事に行く”。彼女らしいと言えば彼女らしいのかもしれない。だが、少し違和感を覚えた。
『なにか不都合なことがありますか？』
「…ううん、大丈夫。明後日からまたよろしくね」
『はい。それでは本日はこれで。』
「そうだね、今日もお疲れ様。」
俺は彼女の頭にポンッと手をおいた。
『…ありがとうございます』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やゆよ | 作成日時：2024年3月2日 14時
