表の俺と裏の君。【ホークス】 (ページ31)

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私の姉さん、本名引石健磁、ヴィラン名マグネ。

彼女との出会いもまた、私が4歳のとき。公安に入る半年ほど前のことだった。

どういう経緯か覚えていないけど、雪が降ったとある冬の日、私は一人、公園の隅で座っていた。

空腹感を通り越した先の虚無感、寒く、冷たく、痛い。このときの私は多分、世界に絶望していたのだと思う。

そこに通りすがりの一人の女のような男が立ち止まる。

マグネ「アンタ、家はどうしたの」

『知らない、あそこに居場所はない』

マグネ「バカね。自分の居場所は、自分自身が決めるのよ」

この一言で私はこの人についていくことを決めた。最初はうざがられたけど、

『私が決めた居場所はここ』

と言うと、

マグネ「…死なないようにちゃんと着いてきなさいよ」

『ありがと、お兄お姉さん』

マグネ「…何その呼び方」

『お兄さんにも見えるし、お姉さんにも見えるから呼び方わかんない』

マグネ「どっちだと思う？」

『分かんないからお兄お姉さんなの。』

マグネ「アンタ子どものくせにいい性格してるわね」

『ありがと？』

マグネ「褒めてないわ。でもそうね、、姉さんの方が私は好きかしら」

『分かった、じゃあ姉さんって呼ぶ。ありがと、姉さん』

この日から私はヴィランの世界を知った。

半年が経った頃、一人で散歩している途中にスリをしているヴィランに遭遇。個性を使ってバッグを霧化し、持ち主に返した。

ただの気まぐれ。でも、その気まぐれが私の人生を変えた。

バッグの持ち主こそ、当時の会長補佐、私に契約を持ちかけたあの会長だった。

数日後、私の能力を見込んだ彼女は私を探し出し、言ってきた

会長「私達と来なさい。来ないなら、あなた共に暮らしているあのヴィラン、どうなるか分からないわよ」

悩みに悩んだが、結局私は彼女の手を取った。

姉さんが嫌うこの世界だけど、私は姉さんにカタチだけでも自由に生きてほしかった。

私は条件を出し会長と契約を結んだ

私が公安の保護化に入る代わりに、1年に一度自由を与えること。

私は姉さんに軽く挨拶をして初めて自分で決めた居場所を捨てた。そして1年に1度の再会を糧に、公安に飼われた者として、ミスリーとして馬車馬のように働いた。

連合に潜入する時は姉さんを騙した。

『私の任務は国を救うのではなくホークスのサポートだし、生き辛いこの世界を壊したい姉さんの手伝いもできる』

自分を正当化した