表の俺と裏の君。【ホークス】 (ページ21)

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超常解放戦線掃討作戦前夜。久しく見ていなかった彼女と偶然出会う。

『私になんのようかしら？夜這いでもする気？』

「やだな笑、散歩してただけですよ」

というのは聞き苦しい言い訳だ。このまままっすぐ進んだ先にあるのは彼女の部屋。アジトの最奥にある彼女の部屋の近くに来る人は、彼女に用のある人以外居ない。

『そう？ならいいわ。私は、、』

「同じモノとは二度は遊ばない。ですよね？」

『ふふっ、よく知ってるわね、そういうことよ。』

彼女は夜の闇がよく似合う。

薄水色の髪は月明かりに反射し、銀糸のように輝く。髪と同じ薄水色の目も、アクアマリンのように淡く煌めいていた。

―― 儚く、消えてしまいそうな存在感。

「髪、以前お会いしたときは長かった気がするんですけど、どうして切ったんですか？」

『いつの話をしているのかしら、そんなに私のことが気になるの？』

短くなった髪を一束取り、毛先をくるくると遊ぶ彼女に俺は即答した。

「はい、とっても。」

と言うと、彼女は毛で遊ぶのを辞め手ぐしを通す。そして俺の目をじっと見つめて言ってきた

『…私はそもそもロングよりショートのほうが好きなの。それでも伸ばしていたのは私の髪を好きだと言ってくれる人が居たからよ。』

「“居た”ということは今はいらっしゃらないのですか？」

『死んだわ。』

彼女が泰然として答えると、風がブワッと俺達の間を翔けた

彼女は風で乱れた髪を耳にかけながら夜空を見つめる。

『いい風が吹いてるわね』

「はい、どこか懐かしいようで、冷たい風です。」

『そう、、、少し話しすぎたわ。私は戻るわね』
　

彼女が俺に背を向ける。

「俺は好きですよ、貴方の髪」

すると彼女は体だけこちらを向き、

『ありがとうございます』

そう言って去っていった