表の俺と裏の君。【ホークス】 (ページ12)

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翌日、俺は朝8時からヒーローとして事務所に出勤し、自室へ入ると1日ぶりに聞く女声の朝の挨拶が聞こえた

「おはよう、早いね」

『サポートが仕事ですから。事前準備は必須です』

なんの事前準備だと不思議に思っていると昨日より部屋が綺麗なことに気がつく。

「チリ一つ無い、掃除してくれたんだね、ありがと。お礼と言っては何だけど…」

俺はポケットから直径1,5㎝ほどの球体を吊るしたキーホルダーを出す。

「はい、これ一周年記念のプレゼント。」

彼女はキーホルダーを受け取ると顔より少し高い位置に掲げ、球体を覗くようにじっと見つめた。

『空、ですか？』

それはレジンで作られた空をモチーフにしたキーホルダー。

「幼稚だけどこれならいつでも落ち着いて空を見れるでしょ？風に飛ばされることもない。たまたま雑貨屋さんで見つけたんだよね〜」

いつもならすぐに淡々とした返事が返ってくるのだが、このときだけはぽかんと口を開けじっと小さな空を見つめていた

「気に入ってくれたみたいで何よりだよ、」

『あ、、ありがとうございます。大切にします』

そう言った彼女の表情は相変わらずだけど、キーホルダーを大事そうに両手で包み胸に当てていた。

「どういたしまして」

「そう言えば、昨日のミスリーの仕事って何してたの？」

『…人と、会ってました』

「その人もヴィラン？」

『…はい。私の、、いえ、何でもありません。』

「？？」

この言葉の真意を、俺が最後まで知ることはなかった。