鉄の抹消Ⅴ【ヒロアカ】 (ページ33)

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黒鉄side

「そろそろ引っ込んでくれないかな！」

アイン「うるさいわね、あんたが引っ込んでなさいよ！」

「私は目が覚めた！もう無駄なことはやめなよ！！」

アイン「無駄ですってっ…私は無駄なことだと思わない！私は私の自由のために全てに抗う！！」

右手の力がまた強くなった

私も必死に左手でそれを止める

　
「力強っ」

アイン「意味がわからないわ！ヒーローに捕まりかけたと思えば、誰かに殺されて気づけばあんたの中！！」

「なに？」

アイン「お前は脳無だの人形だの言われて、、体を返してほしいのはこっちよ！！」

脳無、人形？

なんのことだ

「どういう、ことよ、」

アイン「ハッ、まだ気づかないの？いいえ、現実から目をそらしているだけ！この臆病者！」

「っ、」

アイン「殻木球大。奴は脳無の製造者。あなたは脳無になって、とっくの昔に、、」

アイン「死んでるのよ」

「っ、、」

アイン「あなたも私ももう死んでる！ただの動く屍！！ハハッ、いい気味ね！笑」

　
私が脳無なら、全てが一つに繋がる

体のことも、神野でAFOが私に話しかけたことも、“アイン”の存在も。

アイン「私もあなたも同じ！一つの体に宿った魂！ねぇ良いでしょ、少しぐらい、自由に動かせてよ！！」

「…」

この人も、“被害者”なんだ

必死に生きてたのに、突然殺され、自由を奪われた

同情する点はいっぱいある

でも

「出来ない、、みんなを傷つけようとする貴方に、この体は譲れない！！」

アイン「糞ぉぉぉぁ！」

その雄叫びと共に、地下の方から途轍もない地鳴りが響き始める

ゴゴゴゴゴゴ

「次は何！」

アイン「…っ逃げないと」

突然、右手の力が抜けた

「え？」

アイン「死柄木弔が起きたのよ。もうすぐ全てが崩れ落ちる。皆死ぬ」

「っだめ、地下にはまだ相澤達が！！」

アイン「間に合わないわ、もう、終わりよっ」

ポタッ

地面に水滴が落ちた

「…泣いてるの？」

私の右目からは確かに、涙が流れていた