鉄の抹消Ⅴ【ヒロアカ】 (ページ26)

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相澤side

「…」ズルッ

扉を背もたれに崩れ落ちる

山田[心当たりありすぎる顔じゃねぇか]

心当たり？

ああ、あるよ。

俺がプレゼントに、ストールを選んだ理由は1つ

俺がAに触れた時、すごく、、冷たかったんだ

だから、だからっ、、、。

…ようやく、Aに手が届いた気がしたんだ

だが何にも届いていなかった

この生活に酔いしれていた

突然強くなった個性と身体能力も、

“アイン”も、全て1つに繋がっていたというのにっ、

黒鉄[大丈夫？]

黒鉄[帰ろ？雄英高校に]

なんであんなにも優しい眼差しを向ける奴が、がこんな目に合わなきゃならないっ

ぶっ飛んだ話だ

コンコンコン

俺がもたれている扉に3度の小さな衝撃が加わる

黒鉄「相澤〜ご飯できた〜」

A、、

黒鉄「寝ちゃったのかな。おーい、ご飯だよー」

俺はAの声を聞いた途端、何も考えずに立ち上がり、そして、、、

ガチャッ

黒鉄「良かった、起きてっ、、」グイッ

腕を引っ張り、引かれてくる体を正面から抱きしめた

黒鉄「あい、ざわ？」ぎゅっ

ただ、Aがそこにいるという事実に勝手に体が動いた

「…」

大丈夫。Aはここにいる

俺の腕の中にいる

どこにも行ってない

死んでない

いかせない

自然と、抱きしめる力が強くなっていった

「大丈夫。私はここにいるよ」ぎゅう

Aは俺の背中に手を回し、抱きしめ返してくれる

相澤「っ、」

「大丈夫。」

それ以上は何も話さなかった

ただ俺は感じてしまった

こんなにも近いのに、心は温かいのに、、、

冷たい、、

俺の目からこぼれた水が口に入った。

「甘いな…」ボソッ

これは、現実だ、