be my love…11 (ページ6)

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いよいよソロツアーFINAL。

楽屋のホワイトボードに残された
ツアークルーからボスへのメッセージたち。
思い出にと写真を撮って最後のリハへ。

臣: おはよございます～。

お世話になったこのセットとも今日でお別れ。

臣: 最後までよろしくお願いしますー！

「「お願いします！」」

リハ前の誰もいないアリーナに座って
何か考える臣の姿。

マネ: 珍しくあそこから動かないね臣さん(笑)

A: そうなんですか？

マネ: 20分くらいあのままかな？

ちょっと心配になってそっと近くへ。

.

A: 登坂さん…？

肩がビクッてなって、驚いた顔を見せたが
ふわっと笑う。

アリーナのパイプ椅子に並んで腰掛ける。

とっても新鮮な感じ。

.

臣: なに登坂さんって(笑)…どうした？

A: いや、マネさんがずっと動かないから
心配してた。

臣: …。

横を見ればずっとステージを見つめる真剣な
眼差し。

突然重なった手のひら。

びっくりして隣を見れば
ん？と首を傾げて笑ってる。

A: よく頑張ったねここまで。

臣: …ん。まだ終わってないけどね(笑)

A: 好きだったなぁ～このツアー。
終わってほしくないよ。

臣: 嬉しいことゆってくれるね。
どこが、いちばんかっこよかった？？

A: …選べないよ、そんなの。

臣: じゃぁ、全部だな(笑)

そう言って私の頭をポンっとして

リハに向かっていく後ろ姿はとてもかっこいい。

.

ゴーン。ゴーン。

FINALの鐘が鳴り響いた。

.

“旅をしているようでした。”

歌い始めた曲にのせて色んなことが思い浮かぶ。

リハから初日、公演延期、
どんなに疲れててもステージに上がれば
いつも通り楽しそうに歌う姿に
私も頑張ろと、思った。

.

突然聴こえなくなった臣の声…。

ステージを映すモニターを見れば

涙を堪えきれずスタンドマイクに
手をついて俯く。

初めて見る姿に、私も胸が熱くなった。

あなたのファンはいつだって優しい。
きっと、あなたの人柄の良さなんだと思う。

すると、会場から聴こえてきた歌の続き。
とてもあったかい空気に包まれた。

.

溢れる涙を拭い、

“幸せでした。ありがとうございました”

そう告げて、初めての長い旅が終わった。