背後から【帝】 ページ17
いつだ?今か、いや違う、今か、いやまだだ__
__そんな問答を脳内で繰り返す。帝は、ずっと、待っている。ノアと対峙している者の隙を、一瞬だけの隙をじっと、獲物を狙う肉食獣のように、ただただ待っているのだ。
自身の能力で物を創らない。そうは言ったが、急遽作戦変更だ。これも仲間の為、友の為。能力を使わないで自分に何ができる。帝はパーカーのフードを目深にかぶり、口許を緩ませた。今だ、ノアの瞳が帝にそう確信させた。気を引き締めなければ、すぐに殺られてしまう相手だ。そう分かっている上で最大限自分にできることを。自身の能力で創った武器__スタンガン__を片手に忍ばせ、駆け出した。
「少し痛むが、すまない、これも俺の仕事だ!」
相手に振り向かれた。相手の視線と威圧に負けぬように、精一杯の笑顔を見せ、スタンガンを相手に近付けた。
ビリッ、電気の奏でた音。それで相手がすぐに起き上がるのか、深い眠りにつくのか、はたまた最初からきいていなかったのか、そんなことはこの際どうでもいい。滑り落ちた原本をしっかりと手に取り、本物だと確かめた。
「ノア!!俺は先を急ぐ!俺に何かあったときはお前が頼りなんだ!その時は頼む!!」
幻想図書館へ向かう前に、フードから顔を覗かせてノアへ伝える。一言一言をちゃんと届けるように。ノアが、任せろ!と頼もしい返事をしたのを確認して、いざ、図書館へ。
これが、どう転ぶのか誰にもわからない。
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総悟13(低浮上)(プロフ) - 更新します (2018年4月15日 13時) (レス) id: e5fad7f655 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新しました (2018年4月11日 23時) (レス) id: fa00ecbe89 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新します (2018年4月11日 23時) (レス) id: fa00ecbe89 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 陽奈(プロフ) - 終わりました (2018年2月13日 18時) (レス) id: f60ccf7661 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 陽奈(プロフ) - 更新します (2018年2月13日 18時) (レス) id: f60ccf7661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨紗 x他10人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月15日 19時