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だが、その瞳を向けられたノアは、ほっと安堵したように、何かを楽しむように、小さく笑った。
「そうか。……よかった、俺と同じか」
彼にはロザリオが無い。即ち能力はノア自身に使えない。しかも持つ木刀は、到底眼の前の相手に通ずる様な物ではない。
だが、彼はそんな事など気にしていなかった。
「俺も友の為なんだ。互いに理由は同じってことか、和服の美人さん」
「笑止。人の子如きと私が同じと?」
茨木童子が刀を無造作に構える。その瞳には微かな苛立ちが見て取れた。
ノアもまた慣れなさそうに木刀を構える。2人の力の差は歴然。
だが、2人ともが引かなかった。
鬼と人の子の戦いが、今ここに始まろうとしていた
そして、場所が変わってとある図書館の前。
1匹の鳩が、口に咥えたロザリオを落として行った。それを手に取るのは、1匹の黒猫。
「しくじった様だな、馬鹿めが」
その瞬間、白いフードを被った人間は、そのロザリオを首から下げた。それを待っていたかの様に、ロザリオの周りに斥力が発生する。
まるで図書館の入り口を守る様に。
一切の侵入を阻む様に。
「ホウイチ殿の説得は苦労したのだぞ。
……この要塞は、簡単には落とせぬと見よ」
人間はそう呟いて、にやりと笑った。
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総悟13(低浮上)(プロフ) - 更新します (2018年4月15日 13時) (レス) id: e5fad7f655 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新しました (2018年4月11日 23時) (レス) id: fa00ecbe89 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新します (2018年4月11日 23時) (レス) id: fa00ecbe89 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 陽奈(プロフ) - 終わりました (2018年2月13日 18時) (レス) id: f60ccf7661 (このIDを非表示/違反報告)
夕月 陽奈(プロフ) - 更新します (2018年2月13日 18時) (レス) id: f60ccf7661 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梨紗 x他10人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年12月15日 19時