こんな日々は認めない。

一度だけ【帝】 ページ14

今日もか。




寝ぼけた俺は、ぼんやりとしたままの脳でそんなことを考えた。お嬢ちゃんは毎朝起こしにきてくれる。が、生憎俺は朝が苦手だ。




元々の生まれがよかったからか、俺は少しばかりだらしないらしい(そんな風には全く思ってないが)。




話は戻るが、本当に毎朝毎朝、懲りもせずに起こしにきてくれる。俺は、仕事をそれはそれは早く終わらせるし、眠りにつくのもきっちり21時なのだ。三十路にしては生活リズムがいいほうだと思っている。朝に弱いだけで。……いやまあそれがこの話の元凶なのだが。




「帝さん!明日こそ朝のうちに起きてくださいね!!」




なんて、夜寝る前に言われる始末。ノアにもいい加減起きてやれよ、と苦笑いされながら言われた。




今日も俺の部屋にあるベッドには、お嬢ちゃんが置いていった、けたたましい音を響かせる目覚まし時計が、ポツンと置かれてあった。




「明日だけ、起きてやろうかね……」




無意識のうちに溢していた呟き。それを合図に俺は毛布にくるまり、慣れない手つきで目覚まし時計を設定した。




明日だけ、お嬢ちゃんに楽させてあげるとしよう。

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