こんな結末認めない。【第二夜】 (ページ25)

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改変【ロート】ページ25

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　届けられた原本に、ロートは誰にも悟られないくらい少し、顔を歪めた。
　･･････あぁ、今度は彼女か。

　自分に憧れている、と訳の分からないことを言い、ストーカー紛いの行動をする彼女、
　―――なよ竹のかぐや。
　その原本である竹取物語が届けられたのを見て、不思議と改変してやろうという気は起きなかった。

　確かに、悠久古書店の奴等の悔しがる顔を見たくないと言えば嘘になる。
　だが同時に、改変して彼女が幸せになれるかと問われれば、すぐには頷けなかった。

　･･････きっと彼女は翁達より長生きするだろう。
　そして孤独に地球で生涯を終えるだろう。

　―――彼女はそれを幸せと思えるだろうか。

　ロートはふるふると首を振る。
　･･･人によって感じ方なんて違うもの。

　今の状況だって、私の『幸せ』であって･･･
　そこにディストピアがあるかないかは、捉え方によってどうにでもなるものだ。

　「･･････ねぇ、届いたんなら作戦は早い方が良いわ。悠久古書店より先にね」

　「え、えぇ。今ちょうどワタシもそう言おうと思っていたところです」

　「そうだな。じゃあ作戦はどうするか･･･。ロートの時と同じじゃ･･･」

　「べつにそれで良いんじゃない？」

　ロートは椅子にどっかり座って足を組み、口角を上げる。
　その場に居た全員が「え？」といった顔をした。

　ロートは少し気だるそうに続ける。

　「相手は霧を打開する方法は持ち合わせていないんじゃないの？」

　「･･･んー、まぁ、確かに」

　「視界の妨げになれば大いに助かるわ。･･･ねぇ？」

　そう言って猫井を見上げれば、猫井は少し顔を赤くして言葉に詰まる。
　ロートが不可解そうな顔をすると、即座に頷いた。

　「じゃあアンタの能力で視界を妨げて。あとは特攻で良いんじゃないの？･･･面倒な幻術も効かないし」

　アイディア提供他には？とロートは小首を傾げる。