先が見えなくても 【炎斑 天理】 ページ40
斬る、
進む、
薙ぐ、
戻る、
突く、
進む、
払う、
戻る、
転送されてからずっとこの調子で戦っている。
いくら自分の能力が、後からダメージを与えるタイプだとしても数が多いな
と天理はまた破壊者を攻撃しながら考える。
周りを見渡せば何人か同じ四季紡ぎが傷だらけになりながら戦い続けているのが見える。
しかしその時ようやく見えるぐらいの所で誰かが倒れているのも見えた。
「あれは……沙緒里ちゃん!?それに水月ちゃんまで!」
急いで二人のもとへ駆けてゆく。
辿り着く少し前に沙緒里ちゃんのほうが起きたようで、水月ちゃんを自らの能力で守りながら破壊者に立ち向かっているのが分かる。
「沙緒里ちゃん!大丈夫!?水月ちゃんは!?」
「あ、炎斑さん!私はもう大丈夫ですよ!でも凍乃さんが…」
こうやって話をしている間にも破壊者は次々とやってくる。
ほんとはもっと落ち着いて話さないと、行動しないと、
ただでさえ初陣で、怪我人もいて、私のほうが歳上なのに…
駄目だ。こんな気弱じゃ守れるものも守れない。
「沙緒里ちゃん。私、水月ちゃんをベースキャンプまで運んでくるね。すぐに戻ってくるから。」
ここに女の子一人を残して行くことが大丈夫かどうか迷うが、怪我人の手当が先だと思い背負って走り出す。
「!!炎斑さん後ろ!!」
その声が聞こえて振り返ったときにはすぐ近く、あと一歩の所に破壊者がいて、
「やばい!」
咄嗟に水月ちゃんを後ろに庇い、前に出て目を瞑り衝撃に備える。
一陣の風が吹き抜ける。
体の何処にも痛みや衝撃はなく、うっすらと目を開ける。
「天理さん大丈夫ですか!?ここは俺に任せて凍乃さんをお願いします!」
そうだ
諦めなければどんなに先の見えない闇だとしても必ず光はあるはずなんだ。
一人で戦っているわけじゃない。
皆がいる。助け合って、頼り合って戦っている。
少し涙が零れそうになるのを必死に拭って
詠史くんの目を見て頷き
またベースキャンプに向けて進んでいく。
どうか
早くこの争奪戦が終わりますように
どうか
全員が無事に戻れますように
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魁來。(プロフ) - 終了しました (2017年12月1日 6時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
魁來。(プロフ) - 更新します (2017年12月1日 6時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
トウキビ(プロフ) - 更新しました (2017年11月25日 19時) (レス) id: 897976709d (このIDを非表示/違反報告)
トウキビ(プロフ) - 更新します (2017年11月25日 19時) (レス) id: 897976709d (このIDを非表示/違反報告)
フリダ‐(プロフ) - 更新終わりました。 (2017年11月24日 19時) (レス) id: f3285e7d53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四季紡ぎ。作成メンバー x他9人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年11月12日 22時