四季紡ぎ。 (ページ3)

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初雪奪還大作戦…【泡沫沙織里】ページ3

生気を感じさせない曇天…四季が消えてから八年間の変わらぬ景色。
小学生頃からずっと見慣れてしまっているから、四季がある景色がどんな物だったのか忘れてしまっている自分がいる…。

「春は花夏ほととぎす秋は月冬雪さえてすずしかりけり【道元】……とは言いつつも、今のままじゃあ……春も曇天夏も無音秋は月見えず冬何もなし嗚呼、無常【泡沫】ですよ…まったく」

私は、道元さんには失礼だが、こんな皮肉な風刺パロディを詠い…これまた皮肉めいた声でクククと笑った。
こうも変わらない景色を見ていると飽きて来て変わった景色を望む物ですよ!!それが、人生においてのスパイスと言う物ですからね!!…って、一体誰に向けて話してんだよ…私…。

「あーあ、早く雪でも降んないのかなぁぁ～!!誰か、雪もって来いよ～!!飽きたわ、マジでぇ～!!」

「夏班班長、早川綾音からのお知らせでーす。これより、『初雪奪還戦』を行います。手の空いている四季紡ぎは今すぐ出動するよーに。これは私たちの初陣です。間違っても国民の皆様に死に体は晒さないでね。前線に出る者、後方支援をする者は転移所へ。それ以外は本部へ集合せよー！以上で放送を終わります。ご武運をー」

ん？
この声…どっかで聞いたような…って!?

「うわっ!!ヤバッ!!私が、その【初雪】を取り返す《四季紡ぎ》じゃん!!忘れてたっ!!」

本当…自分の忘れっぽさには、草が生える。
覚えた事が【シャボン玉】の様にすぐ忘れるって、どんだけだよ!!

そんな事より…はよ、転移所行かないと……。