四季紡ぎ。 (ページ2)

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見慣れた風景【時雨水埜】ページ2

「はぁ…今日もですか…」

ため息をついてぼそりと呟く
夏班の班員の一人である俺、時雨水埜は今日も一人だ

季節がなくなってしまった今、目に見えるのは見慣れてしまった風景
たしか季節が消えてから＿８年だ

あぁずっとこのままなのか
そしてこれからもこれが続くのか

足を止めてボーっと空を眺める

「でも、頑張らないと駄目ですもんね…」

そしてまた歩き出した
いや、出そうとした

「夏班班長、早川綾音からのお知らせでーす。これより、『初雪奪還戦』を行います。手の空いている四季紡ぎは今すぐ出動するよーに。これは私たちの初陣です。間違っても国民の皆様に死に体は晒さないでね。前線に出る者、後方支援をする者は転移所へ。それ以外は本部へ集合せよー！以上で放送を終わります。ご武運をー」

夏班班長、早川さんの声だ
俺も行動、しなきゃ駄目だな

俺は前線には出ない。
でも後方にならいけるだろう

「そうと決まれば転移所に…」

珍しく走りだした俺。
でも初陣だから…不安でしょうがない

もしも皆さんの役に立てなかったらどうしよう
もしも国民の皆さんに死に体を晒したらどうしよう
もしも…

「どうしましょうか…」

いつにもまして顔色が悪いんだということが
自分でも分かった

それでも走ろうとする(今は歩いてる)足は
真っすぐに移転所へと俺を進ませる