No.5 ページ5
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疑いが確信に変わったのは雑誌に載ってた写真
マスクから少し見えるホクロとあの目つき
そして、名前
「と、さか…ひろおみ」
きっと、”オミ”はひろおみのオミで
このグループのボーカル
オミ「ご飯できたけど…?」
「あ、うん!今行く!」
きっと、誘拐犯なんかじゃないんだ
女なら、誰でも良かったんだ
そうだよ、そうじゃないと私なんか拾わない
意外と早いお別れだな
今日中にどこか泊まれるとこ見つけないと
オミ「ねぇ…なんかあった?」
「…なんで?」
オミ「なんか…ソワソワしてて変だから」
そりゃ、芸能人の家にいるの知ったらそうなるよ
「登坂、広臣って…有名な人?」
オミ「……あー、三代目の人?」
「…知らない」
言えばいいのに、ここまできても言わない
「…オミさんは、その三代目に入ってるの?」
オミ「…知ってたの?」
「さっき…寝室に置いてあるアルバムとか見た…」
オミ「ふーん…ま、言っとくけど
Aの前での俺とテレビの中の俺は違うから」
「…え?」
オミ「Aの前では誘拐犯…でしょ?」
「…女なら誰でもいいんじゃないの?」
オミ「A以外の人は、拾わない」
私が何も言えないでいるとオミさんが
オミ「拾うより…誘拐って言った方がいい?」
「…”優しい”、ね」
オミ「…出ていこうとかしなくていいから」
「だけど…撮られちゃうよ」
オミ「いいよ…その代わり、家事やっといて
こう見えても最近忙しいんだ、それだけお願い」
「…そのぐらい、やるよ」
こうして
外では有名人の登坂広臣
家の中だと誘拐犯のオミさんという
不思議な人との生活が始まった
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作者名:ゆーり x他1人 | 作成日時:2017年4月15日 13時