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1週間は安静にしないといけない。
これは私にとって予想以上に辛かった。
校門まで送っていくという鉄朗に、そうして欲しいなんてワガママ言えなくて、主将なんだからと教室で別れる日が続く。
自分で言っておきながら、鉄朗と由香里ちゃんが並んで歩く後ろ姿を見る度に、どんどん胸の中にモヤモヤが増えていく感じがした。
教室まで迎えに来てくれた友人と一緒に校門まで行って、そこで友人を見送り私は母親が迎えに来るのを待つ日が続いた。
3日ほど経つと、やはり病院が大袈裟だったようで松葉杖なしで少しぎこちなくだが歩けるようになった。
そこからは友人にも大丈夫だといい1人で校門まで行って待つようになった。
横「迎え待ち?」
『うん、横瀬くんはこれから外周?』
横「おー、みんなは知りたくないからって準備遅いんだよな」
そう言いながら横瀬くんは私の横で靴紐を結び直し始めた。
横「1人で待ってるの寂しくね?」
『まぁ、待つのちょっとだし』
横「でも黒尾がここまで送りたがってなかった?」
『うん…でも私のせいで練習時間減るのは嫌だよ』
横「こんなちょっとならいいと思うけどな」
迎えきたぞと車の方を見る横瀬くん。
私もそれに気づいて、横瀬くんに挨拶をしてから車の方に向かった。
こんなちょっとでもダメなんだよ。
鉄朗がどれだけバレーに本気か知ってるから。
_____…
やっと1週間経ち、病院からもOKサインが出た。ただし無理はしないことと何度も注意されたが。
久々に部活に参加できて嬉しいはずだったのに、私の心はモヤモヤするばかりだった。
Aちゃんは無理しないでと、由香里ちゃんが私の分まで動き回って仕事を手伝ってくれる。
私は見学者のようだ。
そして見ているうちに気づいてしまった。
選手それぞれが由香里ちゃんをマネージャーとして受け入れている。
その光景が自然に見えてしまうのがとても嫌だと思ってしまう。
それから更に1週間ほど経ち、私が大丈夫だと分かると由香里ちゃんから私にマネージャーの仕事が変わった。
その事に安心してしまったのはきっと私だけだろう。
いつでも手伝うからという由香里ちゃんの優しい言葉が、私にとってはそう感じることが出来ない。
あぁ、私って本当に最低。
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あい - 凄くよくて一気読みしてしまいました!色々大変だとは思いますが、続き楽しみにしてます! (2020年6月23日 20時) (レス) id: b794c231ce (このIDを非表示/違反報告)
72ちゃん(プロフ) - はじめてコメントさせて頂きます。少し前に読ませていただいてすごく好きな小説で、続きが気になっていたので今日久しぶりに見させていただいたら更新されていてとても嬉しかったです!ありがとうございます(;_;)いろいろ大変だとは思うのですが、更新楽しみにしてます (2020年5月11日 10時) (レス) id: 1954ac8f55 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - 最初から見てます!キュンキュンしますね*更新頑張ってください!! (2016年2月6日 14時) (レス) id: 73da8a2d95 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 昨日今日で読ませていただきましたっ!めちゃめちゃ続きが気になりますよぉぉぉぉぉ( ゚д゚)クワッ!!更新頑張ってください<(_ _)>陰ながら応援してます(*´ω`) (2016年1月23日 10時) (レス) id: 0102343518 (このIDを非表示/違反報告)
Hinami Kikuchi(プロフ) - ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!めっちゃいいところじゃないですか!(;д;)続きめっちゃ気になります!更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2015年12月6日 2時) (レス) id: 288f4b6487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2015年8月21日 21時