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しかしその時、電話から微かに由香里ちゃんの声が聞こえた。
《鉄朗ー！お風呂！》
《お前、ノックくらいしなさいよ。そして俺は風呂じゃない》
《あ、電話中！？ごめんごめん！》
そんな楽しそうに会話する声が聞こえてきて、私は服の胸元をギュッと握った。
《あー、悪いそろそろ切るわ》
『…うん、また明日ね』
《おう、しっかり休めよ》
そう言って切れると思った瞬間、私はつい『鉄朗』と呼んでしまった。
切れてしまったか心配になったが、まだ通話中になっているようで《どうした？》とまた声がかえってくる。
『好き』
自然と口から出てきた言葉にハッとなって慌てて「ごめんいきなり」と付け加えた。
ヤバい。何言ってんの自分！！
恥ずかしくなって顔が赤くなっているのもわかる。
電話からは何も返ってこなくて、あたふたしていると溜息のような深く息を吐く音が聞こえた。
《はー…不意打ち過ぎんだろ。心臓に悪いわ》
やっと声が聞こえたが、その後の鉄朗は「あ"ー」とか「だー」とか言葉では無い声を発している。
『本当に、突然ごめんなさい。お、おやすみなさい』
そんな反応をされると、恥ずかしさを通り越してなんだか申し訳なくなってきたため、私はそう言って電話を切ろうとした。
しかし「まてまてまて！」と止められる。
《悪い、ちょっと心を落ち着かせてた。不意打ちはやめろよな…スゲー会いたくなる》
ポツリと呟かれたその言葉にキュンとしてまたごめんねと謝った。
《俺も好きだよ。まじで…早く明日になんねぇかな》
こんな甘々な鉄朗は久々な気がする。
『早く寝ればきっと早く明日になるよ』
《だな。おやすみのチューは？》
『な、何言ってんの！？』
《ふは、流石に電話じゃ無理か》
そういう問題じゃないと思う。
《鉄朗！早く入れって言われてるよー！》
《わかったわかった！》
《じゃあ、また明日な。おやすみ》
『うん、おやすみ』
通話終了の画面を確認して、ケータイを枕元に戻す。
そして再び横になって部屋の電気を消した。
大好きだよ鉄朗。
鉄朗が私のこと好きってこともちゃんと伝わってくる。
だけどね、こうやってすぐに嫉妬してしまう自分が…凄く嫌い。
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あい - 凄くよくて一気読みしてしまいました！色々大変だとは思いますが、続き楽しみにしてます！ (2020年6月23日 20時) (
レス) id: b794c231ce (このIDを非表示/違反報告)
72ちゃん(プロフ) - はじめてコメントさせて頂きます。少し前に読ませていただいてすごく好きな小説で、続きが気になっていたので今日久しぶりに見させていただいたら更新されていてとても嬉しかったです！ありがとうございます(;_;)いろいろ大変だとは思うのですが、更新楽しみにしてます (2020年5月11日 10時) (レス) id: 1954ac8f55 (このIDを非表示/違反報告)
愛梨 - 最初から見てます！キュンキュンしますね*更新頑張ってください！！ (2016年2月6日 14時) (レス) id: 73da8a2d95 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 昨日今日で読ませていただきましたっ！めちゃめちゃ続きが気になりますよぉぉぉぉぉ( ﾟдﾟ)ｸﾜｯ！！更新頑張ってください<(_ _)>陰ながら応援してます(*´ω｀) (2016年1月23日 10時) (レス) id: 0102343518 (このIDを非表示/違反報告)
Hinami Kikuchi(プロフ) - ｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞｱﾞ！めっちゃいいところじゃないですか！(；д；)続きめっちゃ気になります！更新頑張ってください！楽しみにしてます！ (2015年12月6日 2時) (レス) id: 288f4b6487 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アコ
| 作成日時：2015年8月21日 21時
