【Free!】待ち人２ (ページ50)

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飛び出してきたものの、凛が何処にいるのか分からない。
気づけばハルたちもついてきていて、みんなで凛の姿を探した。

そこにダンッという大きな音が響く。

行こうとしていた方向と別方向から聞こえたその音に、私は体の向きを変えてそちらに走り出した。

凛「所詮俺はこの程度なんだよ！だからリレーも外された！」

向かった先には凛と後輩くんがいて、凛のそんな言葉が聞こえてきた。

凛「もういい、やめだ！水泳なんて辞めてやるよ！！」

ヒュっと息を息を飲み込んだ。自販機横のゴミ箱を蹴って、離れていく凛。
このまま彼を放っておくことなんて出来ず、私は止めていた足を動かした。

『まって、凛！』

驚く後輩くんの横を走り抜け、凛の右腕を掴む。

『ダメだよ、凛…辞めるなんて、』

顔を上げて凛を見れば、睨むような鋭い視線が向けられていて、つい掴んでいた手の力が抜ける。

凛「なんなんだよお前は…もう俺に構うんじゃねぇよ！お前にとって俺はどうでもいい存在なんだからよ！！」

ばっと振り払われた腕から簡単に私の手が離れていく。
そしてそのまま凛は歩いていってしまった。

そんな凛の後ろ姿が滲んで、私は顔を覆った。
抑えられない声が零れ、足の力も抜けてその場にしゃがみこむ。

そんな私の横を戸惑いがちに通り過ぎる足音が聞こえた。きっと凛の後輩くんだろう。

後ろで真琴たちが話す声も微かに聞こえる。止めようと思ってもどんどん溢れてくる涙に、私は動くことが出来なかった。

どうすれば良かったとか、どこで間違えたのかとか、考えても考えても答えは出てこなくて、それとは逆に涙が出てくるばかりだった。