【Free!】待ち人２ (ページ39)

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再び渚に視線を戻せば、輝いた目を向けてきたため、私は渚に何か言われる前にその場を離れることにした。

『ということだから、そろそろ行かなきゃ』

真「あ、うん。またね」

渚「えぇ！ちょっとAちゃん！」

名前を呼んでくる渚に「ごめん、またね」と残して、私はお母さん達の元に向かう。

そういえば、ここは水神様が祀ってあるんだっけ。

4人揃っているところを見てそれを思い出した。

「あら、A」

『ちょっと、お参りしてきていい？』

お母さん達に合流してそう言うと、お母さんは「1人で大丈夫？何かあったら直ぐに連絡して」と言われた。

「気をつけてね」

そう言われて、チラリと今の父を見れば足元はビショビショだった。
その姿で帰れるのか…と思いながら「はい」と頷く。
そして私は持っていたイカ焼きをお母さんに渡して、その場を離れた。

正直ずっと一緒に行動しているのは、ちょっと居心地が悪かったんだ。

お参りをして、またお母さんたちの元に戻らなければならないと思うと少し気分が下がる。
この人混みの中を歩きながら探すのは疲れそうだ。

そう思いながら顔をあげれば、鮫柄の部長さんの姿が目に入った。
周りにいる人たちも鮫柄の人のようだ。

友達と来ているだけかもしれない…だけど、もしかしたら…。

気づけば無意識に赤を探していた。

視界の端に赤が見えて、ハッとそちらを見る。
すると相手もこちらに気づいたようで、バチリと目が合った。

江「Aちゃん！」

「こんばんは！」

そこに居たのは江と、その友達の…確か花ちゃんと呼ばれていた女の子だった。

探していた赤では無かったことに、緊張が一気に無くなった。少しだけ残念に思った気持ちを気付かれないように、私は口元を上げながら「こんばんは」と返した。

江「すっごく綺麗！流石Aちゃん！」

『2人もとっても可愛いよ』

そう言うと2人は顔を見合わせて嬉しそうに笑った。

江「ね、写真撮ろ！」

『いいよ』

他の人に邪魔にならない端っこに移動して、3人で写真を撮る。

江「後で送るね！」

『ありがとう』