【Free!】待ち人２ (ページ36)

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翌日、早めに起きて着替えていると携帯が鳴った。

予想通りの人物からの電話、そしてその内容に私は口角を上げながら電話を切った。

そして、別の人物に電話をかけた。

_____…

渚「ごめん遅れちゃった！」

怜「すみません！」

『…っ、朝から走るのしんどい』

江「もう！何してたの？Aちゃんまで！遅かったじゃない！」

怒る江に謝る元気は、今の私には残っていない。

渚「実は！」

怜「僕達、さっきまで学校のプールでリレーの引き継ぎの練習をしていたんです！」

渚「朝、Aちゃんから見てあげるから集合！って電話きてね！これで怜ちゃんの失敗フラグは回避だよ！」

「いつの間に」とこちらに視線を向ける真琴。昨日「また明日」って言ったでしょと声は出なかったが、目線でその思いを伝えた。

渚「ハルちゃん。僕ね、また一緒にハルちゃんとリレーできるの嬉しいんだ！」

怜「一緒に頑張りましょう、遙先輩！」

特訓の成果を見せるとはしゃぐ渚たちに、走ってきたのになんでそんなに元気なのと思う。

気合を入れる掛け声は多分みんなに聞こえないくらい小さかったが、拳は突き上げることが出来た。

江「Aちゃん、連絡くらいくれれば良かったのに」

会場に入ってからも、朝練の連絡を一切しなかった私は江にお説教された。

『ごめん、余裕なくて』

渚と怜に連絡してから直ぐに学校に向かって、直ぐに練習が始められるように準備をした。

時間がなかったから重要なことだけ怜に説明して、あとは実践あるのみと練習をさせた。

もう行くよと言ってもあと一本と本当にギリギリまで練習した2人。結局走って会場まで向かうことになった結果、ボロボロの私の出来上がりだ。

真「昨日からAはいろいろ考えてたんだね」

『…まぁ、私に出来るのはこれくらいしかないと思って』

真「十分すぎるよ。ありがとう」

江がたくさん頑張ってくれた。
リレーを泳ぐチャンスを作った。

それなら私は地方大会に進めるように少しでも協力したいと思った。

少しだけ、自分から動いてみようと思えた。

『江のおかげだよ』

江「え？」

それだけ言ってから何も言わない私に、江は首を傾げた。