中３ ページ49
貴澄「Aってば！」
『…ん？ごめん、聞いてなかった』
「もー！」と頬を膨らます貴澄。他の女の子達はこの男にキャーキャー騒いでいるが、どんどん身長が伸びて巨人のようなこの男が、そんなことしても私には可愛く見えない。
貴澄「進路！決めた？」
『あぁ、岩鳶』
貴澄「えー、僕と同じとこ行こうよー」
『なんでよ。ヤダ』
ブーブーと文句を言う貴澄から、校庭の方に視線を移す。
次の体育の準備か、他のクラスの生徒が何人かいた。
その中にハルと真琴の姿が見えた。
貴澄「あの二人はどうするんだろうね？」
私の視線をおって、貴澄も校庭の方を見る。
『…知らない』
貴澄「…どう？水泳部」
『どうもこうも、今年引退は私だけだし。まだ1年余裕があるって感じの雰囲気』
ハルが急に部活を退部し、真琴も家の事情で退部。
旭は転校し、郁弥は夏也先輩と一緒にアメリカに行ってしまった。
中2で同級生が誰もいない状態になってしまったが、私は引退まで辞めずに残っている。
それは尚先輩に頼まれたから。
尚先輩に教わったことを、ちゃんと伝えていこうと思ったから。
宗介に言われた…初めて自分から頑張りたいと言った事だったから。それを最後までやりきろうと思った。
貴澄「そっか…宗介は進路どうするって？」
『まだ聞いてない。鮫柄じゃない？水泳強豪校だし』
_____…
『また身長伸びた？』
宗「そうか？」
貴澄も宗介もどんどんデカくなるから、見上げるこっちの身にもなって欲しい。
宗「そういえばこの前、おばさん達に会った。デカくなったな、"妹"」
『…そう』
去年、私に妹ができた。
出産に立ち会い、妹を抱っこしたとき、私は特に何も感じなかった。
宗「高校からは家戻るんだろ？大丈夫そうか？」
『さぁ…私がいない方が家族って感じすると思うけどね。約束してたでしょってお母さんが』
私がそう言うと、宗介は少しだけ間を開けてから「無理はすんなよ」と言った。
『高校入ったらバイトするし、そんな家にいることもないと思うから大丈夫』
宗「部活は？」
『やらない』
宗「…そうか」
『そういえば宗介は高校どうするの？鮫柄？』
私がそう聞くと、宗介は口を閉じて気まずそうに顔を逸らした。
宗「…俺は、地元の高校には行かない」
『…どういうこと？』
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アコ(プロフ) - トキヤloveさん» コメントありがとうございます！更新させていただきました！楽しんもらえると幸いです！ (2021年10月12日 0時) (
レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - アコさん» こんばんは 続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月10日 21時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - トキヤloveさん» 初めまして。コメントありがとうございます！また応援もありがとうございます！引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年10月6日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - こんばんは 初めまして、トキヤloveといいます。続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - みらさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです！なるべく早く更新できるように頑張ります！ (2021年9月23日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アコ
| 作成日時：2021年9月17日 0時
