【Free!】待ち人

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凛のオーストラリアへの見送りの日。



凛「A、俺さ…強くなって帰ってくるから、そしたら俺の話聞いて欲しい」



『え、今でも聞くよ？』



凛「今はまだダメなんだ。強くなってからちゃんと言いたい」



そう言った凛の目は真剣で、私は素直に頷くことしか出来なかった。



『うん、わかった…待ってるね』




私がそう言うと嬉しそうに笑った凛は、宗介と私に手を振って空港行きのバスに乗り込んだ。



今度会えるのはいつだろうか。



凛の話ってなんだろう。



きっとその話を聞けるのは数年後になってしまうだろうけど、私は待つと心に決めた。




バスが出発し、宗介と2人で見送る。




『寂しいね』



宗「…別に」




バスが曲がり角を曲がって見えなくなった瞬間、視界がぼやけた。



宗「泣くなよ」



『…だってっ』



オーストラリアなんて遠すぎて、なかなか実感がなかったのが、凛がバスに乗って見えなくなってしまった瞬間に寂しさが一気にこみ上げてきてしまった。



『寂しいよっ』



宗「…そうだな」



その日は久々に宗介と手を繋いで…正確に言うと宗介に手を引かれて帰った。





小学校6年生の冬。
凛がオーストラリアへ行ってしまった。

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