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宗「…悪かった」
近所の小さな公園まで移動して、1人分空けて私たちはベンチに座った。
初めに口を開いたのは宗介で、声はいつもより小さかったけど、私にはしっかり聞こえた。
『私もごめんね』
宗「Aはなんも悪くないだろ」
『でも、宗介が言ったことは本当のことだし』
そう言って隣を見れば、宗介は気まずそうに目を逸らした。
『でも、いま少しずつ頑張ってる…私なりに』
専門用語だって前よりも覚えた。
どの練習が何に効果があるのかも尚先輩に教えてもらったりしてる。
少しずつ、マネージャーとして働けるようになってるはず。
もちろん、もっともっと頑張らないといけない。
『確かに初めは、水泳が好きで入部したわけじゃない。でも、いまはちょっと楽しいって思ってるんだ』
"頑張りたい"
私の言葉を聞いて、宗介が苦笑する。
宗「初めてだな。Aが自分から何かを頑張りたいって言うの」
『そう、だっけ』
よくよく考えてみると、宗介の言うように何かを頑張ったことってなかったかもしれない。
勉強も平均点取れればいいやとか、習い事もお母さんに勧められても、体験だけ行ってその後はやらなかったし。
宗「いつも俺と凛の後ろ着いてくるだけだったAが、少しだけ成長した気がする」
『ちょっと、なんか私のこと子供扱いしてる？』
ムッとする私に対し、宗介はいつも通り笑った。
いつの間にか、仲直りしていつもの雰囲気に戻っていることに安心する。
『でもまぁ、宗介の言ってること間違えじゃないんだけど…こうやって水泳に関わっていれば、いつか宗介や凛が見てる景色を、私も近くで見れるかなって』
私がそう言うと、宗介は驚いた様子で目を丸くする。
『それに、入った理由は宗介に…』
そこで言葉を止める私に、宗介は首を傾げる。
続く言葉を脳内で再生した私は、何だかだんだん恥ずかしくなってきて、ベンチから立ち上がった。
『あー、お腹空いた！おばあちゃんが宗介も夕飯食べていきなってさっき言ってたよ。食べていくでしょ？』
宗「は？あ、おう…って、俺がなんだよ」
『ん？あー、なんだっけ？』
宗「はぁ？今言いかけたろ！」
「なんて言おうとしたか忘れちゃったー」と逃げる私を、宗介は顔を顰めながら追いかける。
気づけば競走になっていて、私たちは息を切らして家に到着した。
今日はめちゃくちゃ走ったから、競走は宗介に負けた。これはもちろん良い訳では無い。
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アコ(プロフ) - トキヤloveさん» コメントありがとうございます！更新させていただきました！楽しんもらえると幸いです！ (2021年10月12日 0時) (
レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - アコさん» こんばんは 続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月10日 21時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - トキヤloveさん» 初めまして。コメントありがとうございます！また応援もありがとうございます！引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2021年10月6日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - こんばんは 初めまして、トキヤloveといいます。続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - みらさん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてとても嬉しいです！なるべく早く更新できるように頑張ります！ (2021年9月23日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アコ
| 作成日時：2021年9月17日 0時
