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次は体育だという夏也と別れて、私は保健室で軽く目を冷やしに行った。
目が少し赤いくらいで、案外普通に見えるのを確認して、教室に戻る途中に名前を呼ばれて振り向いた。
『真琴』
_____…
真「Aも凛と友達だったの?あ、昨日大丈夫だった?山崎くん、かなり怒ってたみたいだけど…」
『…うん。凛のことは別に、隠してたわけじゃないんだけど』
わざわざ言うことでもないかなって。
言ったところで、何か変わることもないだろうし。
私が一方的に遙と真琴のことを知っていただけで、彼らは客席にいた私のことを知らないのは当然のことだ。
私が勝手に…彼らに嫉妬してただけ。
真「別に、凛とのことを言って欲しかったとかじゃないんだけど…よく考えたら、俺たちAのことほとんど知らないなって」
真琴の言葉の意味がよく分からなくて、私は首を傾げた。
真「俺たちが上手くいってなかったりしてても、Aは何も言わないで見てるだけでしょ?その…もっと、思ったこととかは言って欲しい!」
まさかそんなことを言われるなんて思っていなくて、私は驚きながら「え」と声をこぼした。
『別に、私の言葉なんて聞いたって…』
水泳なんて今まで見てきただけで詳しくもない。
尚先輩みたいにアドバイスもできない。
雑用以外にできることなんて…。
見ていることしかできない。
宗介に言われたことを思い出して、グッと手を握った。
真「なんでも言ってよ…だって、チームなんだから」
落としていた視線を、ゆっくりと上げる。
『チーム…私も?』
真「うん!」
真琴から見た私の顔は、きっと変な顔だろう。
『…っ、真琴は優しいね』
真「えっ!?いや、俺だけじゃなくて、きっとみんな思ってるよ!リレーは4人で泳いでるけど、サポートしてくれてるAも仲間だって!」
『そうだと、いいな』
私がそう言うと、真琴は何故か嬉しそうに笑った。
真「今日の部活、みんなで行こうよ」
『…うん』
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アコ(プロフ) - トキヤloveさん» コメントありがとうございます!更新させていただきました!楽しんもらえると幸いです! (2021年10月12日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - アコさん» こんばんは 続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月10日 21時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - トキヤloveさん» 初めまして。コメントありがとうございます!また応援もありがとうございます!引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年10月6日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - こんばんは 初めまして、トキヤloveといいます。続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - みらさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (2021年9月23日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年9月17日 0時