【Free!】待ち人

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夏「みんなお疲れ。今日はゆっくり休んで、また明日から頑張ろう」


練習試合が終わり、一度外で集合して挨拶をしてから解散になった。


夏「おい、1年。リレーはどうだった」


他の先輩たちがぞろぞろと帰る中、夏也先輩が1年を呼び止める。
チラリと横を確認すれば、全員が視線を逸らし何も言えないようだった。


夏「何度やっても佐野中に負けるよ、今のお前らじゃ。向こうの方がよっぽどチームとして機能してる」


尚「そうだね、今のままじゃ勝てない」


夏「だから記録会までに仕上げろ。個々の力ならお前らの方が確実に上だ」



夏也先輩のその言葉に、4人が反応して逸らしていた視線を夏也先輩に向けた。


そんな1年に、夏也先輩と尚先輩は微笑んで、それ以上は何も言わずにその場を離れていく。



『あ』


小さく声を漏らし、私は慌てて尚先輩を追う。



『尚先輩！これ、今日の記録のノートです！すみません、終わったら渡そうと思ってて』


私の声で振り向いた尚先輩に、ノートを渡す。


尚「あぁ、ごめん貰い忘れてた。ありがとう」



ノートを受け取った尚先輩が、バッグに仕舞うのを見ていれば、視線を感じてふと横を見た。



夏「一緒に帰るか？」



目が合った夏也先輩にそう言われて、いつもの流れなら断らずにそのまま帰るのだが、今日はそれは出来ない。


『えっと、今日はこの後予定があって…』



夏「そういえば、幼馴染が佐野中だって言ってたな」



私がこの部活に入る時に聞いた、練習試合があるのかどうか。
佐野中と練習試合があれば、部活で忙しい宗介にもきっと会えると思ったから、そんな理由でも夏也先輩は私の入部を歓迎してくれた。

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