【Free!】待ち人

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結局、1年生全員の気持ちがバラバラのまま、迎えてしまった佐野中との練習試合当日。



私を見つけた宗介の目は、これでもかと言うほど見開かれていた。



入学して直ぐに部活を決めた宗介はなかなか連絡もくれなくて、私も部活を始めてからは、忙しくなって会いに行くことができなかった。



電話で言っても良かったけど、直接言いたかったし…気づいたらこんな形で宗介に知られてしまったのだ。



驚いた表情から、眉間に皺を寄せて不満そうな宗介に、報告しなかったこと怒ってる？と冷や汗をかく。



夏「どうした？」


『あ、いえ…』


立ち止まっている私の肩に、夏也先輩の大きな手が置かれた。


夏「全体で挨拶するから並べ」


夏也先輩の言葉に頷いて、何となく合わせずらくなってしまった宗介の視線から逃げるように、列の最後尾に並んだ。



_____…



「では、佐野中、岩鳶中の練習試合を始めます」



全体で挨拶をしてから、ベンチの方へ移動しようと思ったら、宗介が遙と真琴に話しかけていた。



内容は聞こえなかったが、話し終えた宗介が私に気づいて近づいてくる。



宗「どういうことだ」



『言おうと思ってたんだけど…』



不機嫌そうにまた眉間に皺を寄せた宗介は、「終わったらちゃんと話せ」と言い残して、自分たちのベンチの方へ歩いていってしまった。

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