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父が亡くなってから数ヶ月経ち、いつまでも悲しんではいられないとお母さんは仕事を始めた。
そんなお母さんの姿を見て、私もいつまでも泣いていてはダメなんだと思った。
私にはお母さんがいる。
そして、近くには支えてくれる人たちがいた。
私の家の隣は割烹料理屋で、幼馴染の家でもあった。
そこのおじさんとおばさんは、父が亡くなってから私たちのことを気にしてくれて、何度も助けられた。
あまり食欲のなかった私たちにご飯を作ってくれたり、話を聞いてくれたり。
幼馴染も何度も家に遊びに来てくれて、私を笑わせようとしてくれたり、外に連れ出そうとしてくれた。
そんな支えがあってだんだんと元気になれた。
『宗介!どこ行くのー?』
お母さんが仕事に行く時は私はいつも幼馴染の家にお邪魔していた。
今日もそうするために隣の家に向かおうとしたところで、家から出てきた幼馴染を発見し声をかける。
宗「泳ぎに行くんだよ!」
そう言って走り出した幼馴染を見てテンションが下がった。
『また水泳…』
私は金槌のお母さんに似てしまったようで、全くと言っていいほど泳げない。
それに、プールならまだ浮き輪があればなんとかなるが、あの事故から海が怖くなった。
仕方なく、おじさんにお店の手伝いさせてもらおうと溜息をついたところで、先の方を走っていた幼馴染がピタリと足を止めた。と思ったらこっちにまた戻ってくる。
何か忘れ物をしたのかと首を傾げながら見ていると、私の目の前で止まった幼馴染は、私の腕を掴む。
宗「何やってんだよ。ついてこねぇなら置いていくぞ」
『え?』
宗「見学しに来るんだろ?」
なんだかんだでやっぱり優しいこの幼馴染の言葉に嬉しくなって、私は頷いてその幼馴染に着いて行った。
そしてそれが私の習慣になった。
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アコ(プロフ) - トキヤloveさん» コメントありがとうございます!更新させていただきました!楽しんもらえると幸いです! (2021年10月12日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - アコさん» こんばんは 続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月10日 21時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - トキヤloveさん» 初めまして。コメントありがとうございます!また応援もありがとうございます!引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年10月6日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - こんばんは 初めまして、トキヤloveといいます。続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - みらさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (2021年9月23日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年9月17日 0時