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スタート練習の次は、リレーの引き継ぎ練習をやることになった。
しかし、それぞれの引き継ぎが遅かったり早かったりと、全然上手くいかない。
更に、個人では普通に泳いでいたはずの遙の泳ぎが、リレーでは別人のように泳ぎが雑になっていた。
個々の実力はあると思うのに、勿体ない。
なんで急にあんな泳ぎになってしまったのだろうと思っていれば、尚先輩と真琴の話し声が聞こえた。
小学校のメドレーリレーでの最高のチーム
その言葉を聞いて、自然と手に力が入ってしまった。
_____…
翌日の部活では、引き継ぎ練習だけでなく、他の練習でもバラつきが出始めた。
旭はまだフリーが泳げないようで、フリーの練習で「クソーッ!」と叫び、個人の専門を100m泳ぐ練習では、真琴が勝手に本数を増やして泳いだ。
リレーの練習を始めると言っても、遙と郁弥は返事すらしなかった。
昨日の練習と同じく、引き継ぎのタイミングが合っていない。
夏「遅いな。何が原因だと思う」
私からストップウォッチを受け取った夏也先輩が、そのタイムを見て、目の前に立つ4人に質問をした。
真「引き継ぎ、ですか?」
尚「そうだね。じゃあ引き継ぎが上手くいかない原因は?」
それには誰も答えず、尚先輩が「リレー泳ぎたい?」とさらに質問をする。
遙「…全員個人だけを泳げばいい」
遙「俺は個人のフリーだけでいい」
まだそれを言うか…と私は眉間に皺を寄せた。
夏「だから、お前が抜けたらリレーに出られなくなるっつってんだろ!」
夏也先輩が怒るが、そんなの何とも思わないのか「みんなも個人でいいって思ってる」と遙は言った。
郁「確かに、このメンバーでリレーなんてそもそも無理なんだ」
旭「んな事言うな!俺は別にそんなこと思ってねえよ!」
郁「じゃあ少しは僕に合わせてよ!旭、自分勝手に泳ぎすぎなんだよ!」
旭「うるせえ!」
喧嘩を始めた郁弥と旭を、夏也先輩が「やめろ」と止める。
夏「引き継ぎが上手くいかないのは、全員が自分のことばっかり考えてるからだ」
きっと、みんなその事を分かっているはずだ。
だから夏也先輩から目を逸らすんだ。
夏「個人とリレーは違う!その意味をよく考えろ!お前ら全員頭冷やせ!」
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アコ(プロフ) - トキヤloveさん» コメントありがとうございます!更新させていただきました!楽しんもらえると幸いです! (2021年10月12日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - アコさん» こんばんは 続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月10日 21時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - トキヤloveさん» 初めまして。コメントありがとうございます!また応援もありがとうございます!引き続き楽しんでいただけるよう頑張ります! (2021年10月6日 0時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
トキヤlove(プロフ) - こんばんは 初めまして、トキヤloveといいます。続き楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2021年10月4日 20時) (レス) id: 321a17ab2b (このIDを非表示/違反報告)
アコ(プロフ) - みらさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえてとても嬉しいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (2021年9月23日 1時) (レス) id: b7dc70b3b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年9月17日 0時