生意気とクリスマス(2) ページ27
そこまで考えて、耳元で鳴っていた呼び出し音が止まった。それからすぐ「もっしもーし」と上機嫌な親友の声が届く。
傑「ケーキは買えたかい?」
悟《僕を誰だと思ってんの。あ、あと2人追加ね》
傑「え?」
誰だと聞こうとした時、電話の向こうから「ケーキ崩れちゃうよ!」と女の子と男の子の声がかすかに聞こえた。
それでその2人が誰なのか理解した傑は分かったと返した。
傑「一応多めには用意したけど、買えたらなにか適当に追加で買ってきてくれ」
悟《へーい》
電話を切って、何か追加で作るかと思いながら顔を上げると、3人の視線がこちらに向けられていた。
傑「津美紀ちゃんと恵くんも来るって」
菜「津美紀ちゃん!?」
美「やったー!」
津美紀が来ることに喜んでいる双子に「恵くんもね」と苦笑する傑。
『メシ足りんのか?』
傑「何とかするさ」
コタツから出てきて未だにはしゃいでいる双子に、今年のクリスマスは賑やかになりそうだと、傑また笑った。
そして双子からAに視線を移す。
傑「A、ありがとう」
『…はぁ?』
何が?と表情を浮かべながら首を傾げるA。
きっと今日があるのは彼のお陰なのだ。この場でそう思っているのは傑ただ一人だった。
傑「食事の支度、手伝ってくれるんだろう?」
『んなこと言ってねぇよ!』
美「美々子手伝う!」
菜「菜々子も!」
そう言った双子に傑はお礼を言いながら頭を撫でた。
するとAもコタツから出てくる。
傑「手伝ってくれるのかい?」
『いや、ちょっと出てくる』
「すぐ戻る」と言って出ていったAを、傑と双子は首を傾げながら見送った。
数十分ほどすると悟達が到着し、それから暫くしてAも帰ってきた。
Aの手にはラッピングされたプレゼントらしきもの。
それを恵と津美紀に渡したAに、傑と悟はニヤニヤとした表情を浮かべていた。
大きいとは言えないサイズのコタツに、みんなでぎゅうぎゅうになって入る。
乾杯をして、いつもより豪華な料理を食べながら、時折また狭い狭いと文句を言う。
それでもみんなの表情はとても楽しそうであった。
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メリークリスマス!
幸せなクリスマスを過ごして欲しくて…
2021.12.25
2079人がお気に入り
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涼羅 - 最高すぎます! 夢主くんの不器用な優しさが大好きです!このまま全員で幸せに暮らしてくれー…(;;) (11月6日 20時) (レス) @page34 id: e29423faae (このIDを非表示/違反報告)
mami(プロフ) - すごくすごくすごく面白かったです!!!! (2023年2月20日 1時) (レス) @page34 id: a8940d6b3a (このIDを非表示/違反報告)
M - ハピエンサイコーです!!!!面白かったです!! (2022年11月9日 22時) (レス) @page34 id: 4b18ae76aa (このIDを非表示/違反報告)
来世はマカロニになりたい - めっちゃこの小説大好きです!!!番外編とかちょー好きです!!!!!!! (2022年3月27日 18時) (レス) @page34 id: ce524a8807 (このIDを非表示/違反報告)
moo(プロフ) - 最高に面白くて良かったです! (2022年2月6日 12時) (レス) @page34 id: 8c70df45d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年2月27日 3時