「何も悪いことしてないけどな」 ページ17
あの後、傑の行動にAは開いた口が塞がらなかった。
「いつでも出せるので時間ある時に」なんて話す傑だったが、Aがまるで神様でも見るような輝いた目を向けてきた為、言葉を止める。
『傑くんの術式って…!』
傑「えっと…呪霊操術です」
傑の答えにAは息を飲み、目を輝かせたまま両手でギュッと傑の手を握った。
『なんて素晴らしい術式なのっ!!』
突然手を握られたことでドキリとしたが、すぐにAの圧に押され、少しだけ後退る。
そんなことにも気付いていないAは、どんどんと傑に身を寄せていった。
悟「離れろ」
いつもより数倍低い悟の声が真横で聞こえ、傑とAは同時にそちらを向いた。
そこにはこれでもかと顔を顰め、青筋を浮かべている悟が立っており、傑とAが自分のことを見た瞬間に、間に割って入るように2人を引き離した。
悟「終わったんだから帰んぞ」
『え、ちょっとまって悟』
Aの手を掴んだ悟はグイグイと引っ張って歩いていく。
それに抵抗しようとしたAだったが、あまりの力の強さに引きずられるように連れていかれるしかない。
悟「あ、傑。買い物あったんだよな?ついでに俺の菓子も買ってきて」
立ち止まったと思ったら、そう言って傑に向かって財布を投げた悟は、すぐにまたスタスタと歩き始めた。
『ちょ、まだ、傑くんに話が!私も買い物ついて行くー!』
叫ぶようなA声がだんだん遠のいていくのを聴きながら、傑は深くため息をついた。
もちろん先程悟に言われたような買い物なんてない。
できることなら補助監督の車で一緒に帰りたかったが、きっと悟が上手く言って出発してしまっただろう。
どうやら悟は、傑の術式をAには知られたくなかったようだ。
傑「何も悪いことしてないけどな」
そう呟いて、傑は仕方なく1人で高専に帰ることにした。悟に言われたお菓子もちゃんと買うことを忘れずに。
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面白い - 好きぃぃぃぃぃぃぃぃです!素敵な作品をありがとうございます♡ (7月30日 10時) (レス) @page25 id: 692c19161a (このIDを非表示/違反報告)
ふぐひらめ - ほぅわはぁ〜(?)……好きです。完結ですか!? (2022年4月23日 21時) (レス) @page26 id: f76242864c (このIDを非表示/違反報告)
たろ。(プロフ) - 夢主クセ強 www (2022年3月14日 23時) (レス) @page26 id: ba071d904f (このIDを非表示/違反報告)
ピ(プロフ) - なんだこれ最高かよ、、、、、、 (2021年7月29日 6時) (レス) id: 324728c5bd (このIDを非表示/違反報告)
うさ - うおおおおここで終わりですかァァァ (2021年7月18日 7時) (レス) id: c396716e54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アコ | 作成日時:2021年1月10日 1時