【呪術廻戦】生意気な後輩が入学してきたのだが【男主】

「オイ！無視すんなよ！」 ページ28

そうやって騒いでいるうちに、映画はクライマックスを迎えている。
結局、映画を真面目に観ていたのは灰原だけだった。


しかし、映画1本見終わるまで呪骸は動くことはなく、確実にAは成長していた。



傑「いつまで騒いでるんだ。もう終わったぞ」


エンドロールが流れ、未だに呆れ顔の傑が3人を止める。
注意された3人のうち、七海は自分は被害者だと不満げな表情である。



『おーし、建人の部屋でゲームしよーぜ』


七「来るな」


いい加減頭にきたのか、眉間に皺を寄せた七海は珍しく敬語を使わず1人先に部屋へと戻っていく。


傑「明日も授業あるんだからもう寝な」


灰「はい！」


元気に返事をする灰原に対して、Aは「母親かよ」と呟く。
その呟きはしっかりと傑に届いており、もう一度「もう寝ろ」と先程より強めに言われて1年2人は部屋に戻ることにした。


灰「夏油さん！五条さん！おやすみなさい！」


夜なのに元気のよすぎる挨拶をした灰原に続き、Aも部屋を出ていこうとする。


悟「挨拶は？」



ソファーに反対向きに座り、背もたれに肘をついた悟は、出口に向かうAの背中にそう声をかけた。


ちょうど欠伸をしていたAは、そのまま後ろを振り向く。
先輩2人の視線が自分に集まり、欠伸で開いていた大きな口を閉じた。


『おやすみー、傑センパイ…悟センパイ』



少しだけ口角を上げ、ヒラヒラと片手を振りながら出ていくAに、挨拶を返したのは傑だけ。
悟はというと、ぽかんと口を開けて出口を見たまま固まっていた。



悟「……聞いたか？今の」


傑「さ、私も部屋に戻るよ」


悟「オイ！無視すんなよ！」


この日初めて名前を呼んでもらえたのだが、結局次の日からまた「最強パイセン」と呼ばれる悟であった。

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