【呪術廻戦】生意気な後輩が入学してきたのだが【男主】

「これ始めたの今日から」 ページ23

あの後、傑が説得をしてまた訓練を再開することにした。


放っておいたらまた何するか分からないため、時間があった悟と傑もこの前の金曜日のように一緒に映画を観ることにする。



映画を観始めて2人は驚いた。
Aは意外にも呪力のコントロールが上手くいっているようだったからだ。


ぼーっとつまらなそうな顔で映画を観るAの手元では、呪骸がスヤスヤと眠っている。



傑「何だ、意外と上手くいってるじゃないか」



傑の言葉にAは「起きてる時はな」と返した後、大きく欠伸をした。



悟「昨日は寝なかったのかよ？」


『これ始めたの今日から』


その返答に悟と傑はまた驚いた。
今日からこの特訓を初めて、映画はまだ3本目。
しかし、この映画を見始めてからAは一度も殴られていない。


まだ低く設定されているだろうが、少し前まで呪術のじゅの字も知らなかったAが、ここまで早く成長するとは思ってもいなかったのだ。



これならすぐに実習にも行けるなと傑は確信した。



しかし、それから数分するとAの頭がこっくりこっくりと船を漕ぎだした。


そして数秒後、彼の手元にあった呪骸がパチリと目を覚まし思いっきり頬に向かってパンチが飛んだ。


その光景にブフッと吹き出す悟と、せっかく調子が良かったのにと残念そうに片手で顔を覆う傑。


薄目を開けたAは呪骸を見て舌打ちをした。


悟「ぶはははっ！やっぱまだまだだったな！」


いつも生意気な後輩の残念な姿に満足気に笑う悟に、傑は全く先輩らしくないなと思う。



悟「だから俺がコツを教えてや、るっ！？」


突然悟の言葉が途切れたと思ったら、呪骸の拳が悟の頬に思いっきり当たっていた。
笑っていて完全に油断していた悟は、もろにその拳を受けている。



『ンな簡単に殴られてるパイセンなんかにコツ聞いてもな』


ニヤニヤと笑いながらまた呪骸を抱えたAは、悟の姿に満足したのかテレビに視線を戻した。

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