Free! ES OVA 【山崎宗介】

11.交渉人…竜ヶ崎怜 ページ12

未だに植え込みの陰に隠れる渚と百太郎。



百(くそっ、何とかここから脱出しねえと！)


移動しようと動き出した百太郎は似鳥の言葉によってピシッと固まる。


愛「あ、あんなところに大きなクワガタが。」


愛(出てこい！百くん！)



自信満々の似鳥だが、植え込みの陰からは百太郎の笑い声が聞こえてきた。



百「その手には乗りませんよ、愛先輩！クワガタは夜行性なんです。この時間は外に出てきてるはずがないんす！」



百太郎の言葉に衝撃を受ける似鳥と怜。
その隙に百太郎は渚の隠れる植え込みの陰へと移動する。



渚「やるね、百ちゃん！」


百「任せてください、渚っち！」



「イェーイ！」とハイタッチする二人。


その二人の様子にやられたと表示に出す似鳥だったが、今度は怜が自信満々に前に出てきた。



怜「僕の出番のようですね…ここは交渉人、竜ヶ崎怜におまかせください！」



決めポーズをキメる怜を百太郎と渚は木の陰から覗き見る。



百「交渉人？」


渚「気をつけて、百ちゃん！」



怜「御子柴百太郎くん。君に関するデータはすでに僕の頭にインプットされプロファイリング済み。銃を捨て降伏すれば進呈しようじゃありませんか。この…江さんの写真を！！」



怜の最後の一言に衝撃を受ける百太郎。



怜「さぁ、どうです？江さんのあーんな写真やこーんな写真が…」


怜の横で似鳥は、そんな分かりやすいトラップに百くんが引っかかるわけないと思っていた。



だが、その瞬間百太郎が植え込みの陰から飛び出した。


愛(かかった！？！？)


やはり百太郎は江が関わる誘惑には勝てなかったようだ。


飛び出した百太郎の足を渚が一瞬で掴む。
飛び出すことを渚に阻止され地面に叩きつけられる百太郎。


渚「ダメだよ百ちゃん！怜ちゃんがそんなの持ってるわけないよ！」



怜「やりますね、渚くん。ならばっ！」



渚「ここはひとまず撤退だよ、百ちゃん！」



百「ラジャー！」



怜の次の作戦が飛び出す前に、渚と百太郎は走って怜と似鳥から逃げた。

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