13話 ページ14
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なかなか本題には移らないのが私達の会話で、本題が始まれば案外すんなりと話は終わる。
「とやさん、今回結構キテるんスよ」
『あら〜、大変ダネ。』
「Aさんがあんなこと言ったからなんすけど」
いつもより怪訝な顔をしてそう言ってくる狐に他人事のようにして返せば机に手をつき前のめりに顔を覗き込むようにしてくる。
…これは結構絶望的な状況かもしれないってことか。
だって
『こんなに狐くんが近かったことないもんねぇ…』
呟けば即座に離される距離。
何なら扉の方まで離れて行っていて…なんか悲しくなる。
「べ、っつにそこは良いんスよ。ただとやさんがミイラ化してて…」
『おぉ…魔物の仲間入りかな？』
「馬鹿言わないで下さいよ…」
はぁ、とため息をつきながらソファへと戻って来る狐くん。
「とやさんが魔物になったらオレが人間に化ける必要がなくなっちゃうんスから」
そういえばそうだった。
狐くんは人間と友好関係を取ることを嫌う妖界を剣持クンのために裏切り、時には人間として化けて過ごしている。
裏切り、というのは血への裏切りという意味もあるためそんなことをする人はなかなか珍しい。
魔王城まで風の噂が流れてきた時には驚いたものだ
何故そこまで1人の人間に尽くせるのか、と。
実際会って見ると大切な人のための血への裏切りをそれが何だ、というような人間であることはすぐに分かった。
『妖界がだめだったら私のところに来てくれてもいいよ？飯担当な。』
「貴方はご飯食べなくても生きていけるッスよね?!それにオレと貴方は種族的に相性が抜群に悪いの前も説明したの忘れたッスか??」
『まぁその相性という私達の壁も乗り越えてしまおう』
「もう！話結構逸れちゃったじゃないスか」
『そうだったね、ミイラ剣持クンがどうしたんだい？』
足を組み直してそう聞けば「種族ミイラは雑魚じゃないッスか、とやさんじゃないッスよ」と言いながらソファに座る。
「頼みッス。」
『……ん？もう1回言ってくれないか、頼み？って言った？』
「そう言ってるじゃないスか！頼み!!」
『おう…』
「とやさんに会いに行ってくれないスか、そして前の言葉を撤回してくれないッスか」
『ありゃ？そんなに前？』
「はぁ？あれからもう1週間経ってるッスよ？」
考え事ってこんなに時間を忘れるものなのだなと思った今日此頃。
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現実逃避中のツバメ(プロフ) - あさきさん» コメントありがとうございます！更新頻度は低いと思いますがこれからも楽しんでいただけると嬉しいです！ (2月20日 20時) (
レス) @page3 id: 4a39f56e37 (このIDを非表示/違反報告)
あさき(プロフ) - 夢主ちゃん可愛い！！！更新楽しみにしてます！！ (2月19日 14時) (レス) @page4 id: 2e9509526a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：現実逃避中のツバメ | 作成日時：2024年2月10日 21時
