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彼…もとい学園長についていくと、案内されたのは大きな鏡が置いてある不思議な場所だった。
その鏡の周辺には私と同じ服に身を包んだ人で溢れかえっていて、好き勝手に喋っているらしくざわめいている。
「皆さん、お静かに！」
学園長が手をパンパンと２回叩くと、先程までのざわめきはピタリと修まった。
そして、新入生や各寮の長たちの視線が一斉に此方に集中する。
昔から一目につきやすく注目を浴びる事は多々あったが、やはり多くの瞳が私を凝視するその視線は未だに苦手だ。
人というものは、数秒程の時間があればその人の性格や行動が大体は把握できるらしい。
つまり、あの多くの瞳が、人が。
この瞬間に私がどんな人かを大まかに把握しようとしている、という事になる。
特別枠の人間が男ならまだしも、私は女。
しかもあのナイトレイブンカレッジに在籍する事になっただなんて、異例中の異例だ。
きっと女の私を侮り、見下し、蔑む人も出てくるだろう。
…でも、やるしかない。
お母様に逆らってはいけないと、あの日初めて芽生えた意識。
お兄様の言うことをちゃんと聞くのよ、という言葉。
私はナイトレイブンカレッジで、必ずお兄様の言うことを聞き、いつものように勉学に力を注がなければならない。
彼女に言われたからには、どんなことも絶対なのだ。
私は気持ちを落ち着かせようと、ゆっくりと深呼吸をした。
大丈夫、私ならやれる。
何だってできる、そう信じてるもの。
「ナイトレイブンカレッジが創設されて以来の事ですが、皆さんと同じ新入生として、今年は男女問わずに特別枠として一人の生徒を新たにお迎えする事になりました」
「…A・ローズハートです。以後お見知りおきを」
───さあ、私の学園生活が始まりを告げる。
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リリ - とても楽しく読ませて頂きました！更新お待ちしています。 (2021年9月4日 5時) (
レス) id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
逢瑠(プロフ) - 星空アクアさん» コメントありがとうございます〜！そう言っていただけて本当に嬉しいです(●´∀｀●) (2020年5月14日 23時) (レス) id: c06ea07342 (このIDを非表示/違反報告)
星空アクア(プロフ) - とても面白いです(*^^*)更新待ってます!! (2020年5月14日 3時) (レス) id: 9293e603bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢瑠 | 作成日時：2020年5月6日 13時
