episode0 入学式 ページ7
ふと、誰かに呼ばれた気がした。
初めて聞くその声は、どこかふんわりとしたあたたかさを感じる。
声の正体が知りたい。
そう思った私は、ゆっくりと目を開いた。
目の前に立っていた人は、真っ黒なシルクハットとペストマスク、黒いマントを身に纏っている。
どうやら先程の声の持ち主は彼のようだった。
「…おや、お目覚めですね。私はディア・クロウリー。この学園の長を務めています。ようこそ、我がナイトレイブンカレッジへ」
気分はどうですか、と聞きながらこちらへ手を差し伸べてくれた彼は紳士的だ。
手を取ると、彼はそっと私を自身の方へと引き寄せて棺から出させてくれた。
ありがとうございます、と一声かけてから私も彼に挨拶をする。
『初めまして、学園長。A・ローズハートです。私に入学許可を与えてくださりありがとうございます。…それと、体調は良好みたいです。お気遣いありがとうございます』
そう言うと彼は、くるっと後ろを向いて「おおお、なんて礼儀の良い生徒なんでしょう！感動しました！」と泣く素振りを見せる。
…それ本当に感動しています？
彼の行動を見て思わず言いたくなったが、ここはグッと堪える事にした。
泣く素振りをピタリと止めた彼は私の方を振り返ってから、最初の時のように落ち着いた口調で話始めた。
「おっと、こんな茶番を挟んでいる場合ではありませんね。…それではあなたの寮分けをしましょう。私についてきてください」
彼はそう言うと、自身のマントをヒラリと翻して歩き始めた。
彼に置いていかれないようにと、私も彼に続けて足を進めたのだった。
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リリ - とても楽しく読ませて頂きました！更新お待ちしています。 (2021年9月4日 5時) (
レス) id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
逢瑠(プロフ) - 星空アクアさん» コメントありがとうございます〜！そう言っていただけて本当に嬉しいです(●´∀｀●) (2020年5月14日 23時) (レス) id: c06ea07342 (このIDを非表示/違反報告)
星空アクア(プロフ) - とても面白いです(*^^*)更新待ってます!! (2020年5月14日 3時) (レス) id: 9293e603bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢瑠 | 作成日時：2020年5月6日 13時
