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あれから数年。
お兄様はナイトレイブンカレッジに入学する事になった。
学校は全寮制で帰ってこれる事はあまり無く、手紙も届けるのに数日はかかってしまうらしい。
私のたった１つの生き甲斐だったお兄様との手紙でのやり取りは暫くお預けとなってしまった。
お兄様がナイトレイブンカレッジに行く前日、私は居てもたってもいられなくて、就寝時間を少し過ぎた頃にお兄様の部屋を訪れた。
お兄様は私のいきなりの行動に、お母様に見つかっていないか驚いていたけれど、すぐお部屋に入れてくれた。
「驚いたよ。こんな夜更けにどうしたんだい？」
『…お兄様に会いたくて。どうしても我慢できなかったの』
ごめんなさいと謝れば、お兄様はクスッと笑い、私を抱きしめてからそっと頭を撫でてくれた。
「A、よくお聞き。ボクがナイトレイブンカレッジに行っても、ちゃんとお母様の言った事を守るんだよ？ルールに逆らう事は許されないからね」
『ふふ、大丈夫よお兄様。お兄様との約束だったら何だって頑張れるわ』
私からもぎゅっと抱きしめると、お兄様は一瞬目を丸くしてから「…そうだね。A、信じてるよ」とさっきよりも少し力を強めて抱きしめてくれた。
“お母様の言うことをちゃんと聞くこと。”
それが、あの日の夜に私とお兄様が約束した事だった。
そしてあの日の約束から約１年後。
私は従来よりも更に勉学に力を注いだ。
全てはお兄様との約束のため、何よりお母様のために。
そして私はその努力と才能が認められ、ナイトレイブンカレッジから特別枠として入学が認められた。
あの学校は男子校だと聞いていたけれど、まさか女の私も入学できるとは思いもしなかった。
お母様は「リドルの言うことを聞くのよ」と一言。
大丈夫よ、お母様。
私がお兄様の言うことを聞かない訳がないじゃない。
そう意を決して、私はあの黒い馬車へと足を踏み込んだ。
今までの生活とはうってかわってドタバタな日々を過ごす事になるのは、また別の話。
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リリ - とても楽しく読ませて頂きました！更新お待ちしています。 (2021年9月4日 5時) (
レス) id: b4e2026cdd (このIDを非表示/違反報告)
逢瑠(プロフ) - 星空アクアさん» コメントありがとうございます〜！そう言っていただけて本当に嬉しいです(●´∀｀●) (2020年5月14日 23時) (レス) id: c06ea07342 (このIDを非表示/違反報告)
星空アクア(プロフ) - とても面白いです(*^^*)更新待ってます!! (2020年5月14日 3時) (レス) id: 9293e603bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：逢瑠 | 作成日時：2020年5月6日 13時
