イナズマイレブン ☆エリアの騎士～エイリア学園編～☆ (ページ38)

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第38話　白恋中のエースページ38

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『北海道、白恋中のエースストライカー、
吹雪士郎をチームに引き入れ、戦力アップを図れ』

瞳子監督の携帯に、響木さんから
そういったメールが届いてきた。

「で、その吹雪士郎って誰だ?」

「なんで響木さんは、そいつをチームに入れろって言うんだ?」

理由がわからないわけでもない。

しかし、吹雪という者の力量がわからなければ、
上手く納得出来るものも出来ないのだ。

「あっ……わかりました!」

キャラバン内。

パソコンを操作して吹雪士郎の情報を調べていた
春奈が、声をあげる。

それで、その後ろから守が春奈と夏未の間に
ひょいと顔を出して画面を覗き込む。

私はその反対側から頬杖をつきながら画面を眺めた。

「熊殺しの吹雪?」

「一試合10点、たった一人でたたき出した……」

「熊よりデカい?」

「ブリザードの吹雪っていう異名をもつ……」

染岡君、有人、一之瀬君、風丸君と画面を見ながら呟く。
それを聞いて、私は画面を見つめたまま同じように呟いた。

「噂ばかりなんだ……」

「これで吹雪士郎のことがわかったって言えるの?」

守のバンダナを引っ掴んで後ろに下がらせた
夏未さんが、姿勢を戻しながら春奈に問う。

「でも、ネットの情報じゃこれが限界みたいだね。
熊より大きいってのは怪しいところだけど」

「はい。画像も公式記録も、なんにもなくて……」

私も言ってやると、春奈は苦笑いをしながら答える。
そんなところに、有人が考え込むようにしながら言った。

「なぜ……、FFには参加しなかったんだろうか……」

「さあ…………」

ふと浮かんできた疑問に、
私も記憶を探り出しながら答えた。

「多分、白恋中ってところが
強いチーム自体を持っていないからじゃないかな」

「そうなのか?」

「うん、きっと実力があるのは彼だけか、
彼とその他数人ぐらいかってところだと思うよ」

だからFFにも参加しようにもできない。
点が取れても、DFが危ういのではどうしようもない。

……そういうことではないだろうか。

「よーし、この目で確かめてやろうぜ! その、吹雪ってやつの実力を!」

そう言って守は張り切っていたが、
さすがに今日中に行ける距離ではない。

もうすでに夜だったこともあり、
それぞれの席について到着を待つことにする。

疲れて眠ってしまっている者もいた。