イナズマイレブン ☆エリアの騎士～エイリア学園編～☆ (ページ30)

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第30話　守護神と騎士の負傷ページ30

圧倒的な強さに、雷門イレブンは全員が言葉を失った。
代わりに辺りに響くのは、試合終了を告げるホイッスルの音。

「ここで試合終了! エイリア学園、32対0で圧勝です!」

「円堂君……! 大丈夫、円堂君っ……!!」

駆け寄った秋が声をかけるも、
気を失ってしまったのか、守からの反応はない。

その少し離れた場所で、片足を痛めて
しゃがみ込んだまま動かない私に、有人が歩み寄る。

そして手を差し伸べようとしたが、様子がおかしいことに
気がついたらしく、眉を寄せて顔を覗き込む。

「……A?」

「…………」

覗き込んでくるのに合わせて、
私は顔を上げたが、また無言のまま俯いてしまった。

そんな自分の頬に流れるものを見た有人も、
言葉を失って無言になる。

──そして、背後からくる紫色の光に気がついて
一行が振り返った時には、レーゼたちは光の中へと消えて行っていた。

私たちはそれを、ただ無言で見つめているだけだった。

～･～･～

キャラバンへ戻ってくると、
私と守はすぐに春奈と秋から手当てを受けた。

私は右足のみの負傷だったが、
守は体中が痛むようで、手当てに時間がかかるようだ。

「ありがと、春奈」

「うん!」

ここでようやく初めて呼び捨てにして彼女の名前を呼んでみると、
嬉しそうに笑ってしっかりと頷いて返してくれた。

それを見てから、新しいシンガードとソックスに履き替えて
シューズに足を突っ込むと、守の方を見て言う。

「先に降りているね、守」

「おう、すぐ行く! いてっ」

相変わらずの彼の様子を見て、
春奈と目を合わせて苦笑いをしながらキャラバンを降りると

すぐ目の前に仲間たちが輪になって話しているのが見えた。
豪炎寺君は一人、近くの木にもたれかかっている。

「ごめんよ、みんな……あたしが一緒に戦おうなんて
言わなきゃ、こんなことにはならなかったんだ……」

塔子が悲しそうに顔をゆがませながら謝るのを見た後、
次には有人と視線が合う。

視線で“大丈夫か”と問われているようだったので
微笑んで返してやると、彼も安心したように小さく笑む。

「塔子のせいじゃない、俺たちの力がなかったんだ……
……あ、A。円堂、大丈夫だったか?」

「……かなりシュートを食らっていたからね。
暫く、無茶だけはさせたくないところかな」

歩み寄ると、それに気がついた風丸が私に問う。
こちらからちゃんと返してやると、とりあえずは安心したらしい。