第21話 名前呼び ページ21
こんなくだらないやり取りをしていた時、
ふと私の耳に妙な機械音が聞こえてきた。
そしてそのすぐ後に、聞き覚えのある声が皆の耳へと届く。
『地球の民達よ。我々は宇宙からやってきた、エイリア学園なり』
「レーゼ……!」
守が小さく声を上げ、
その隣に立つ塔子も顔を歪めさせる。
『お前たち地球人に、我らが大いなる力を示すため、
この地球に降り立った。我々は野蛮な行為は望まない。
お前たちの星にある、サッカーという一つの秩序の元において
逆らう意味が無い事を示してみせよう!』
このフィールドの傍にあった
大画面のテレビに映るレーゼ。守はそれを見て呟く。
「くそっ、アイツ等一体どこに……!」
「なに、それは本当か……? 間違いないな?」
そうインカム越しに誰かへ問う
SPの声に、私たちは振り返った。
「探知しました! 放送の発信源は、奈良シカTVです!」
そう告げたSPの女性の言葉で、
私たちはすぐに奈良シカTVへ向かう。
〜･〜･〜
その屋上へエレベーターを使って走って来れば、
目の前には確かに怪しい光を放つものの周辺に
ジェミニストームの者たちが立っていた。
「ッ……レーゼ!!」
守が叫ぶと彼はその声に肩越しにこちらを振り返る。
そして、私たちを一瞥するとニッと笑った。
次に、私の隣に立つ豪炎寺君の様子が先ほどと変わり出す。
それに気付いた私は彼のことを気に留めるものの、
視線をやるようなことはせずにいた。
「探したぜ、エイリア学園!」
「探した……? 我らに敵わぬことがわかり降伏の申し入れか?
だが、ゲームは始まったばかり。地球人は真に思い知らなければ
ならない──我らの大いなる力をな」
「フン、誰がお前らに降伏なんか。
俺たちが探してたのは、こいつでもう一度勝負するためだ!」
言いながら、手に持っていた
サッカーボールをポンと叩く。
「勝負……?」
「学校を滅茶苦茶にされて、黙って引き下がれるか!」
「マックスや半田、みんなのためにも……今度こそお前たちを倒してやる!」
「勝負だ、レーゼ!!」
「あたしも戦うよっ!」
塔子もそう叫びながら身を乗り出した。
その身に纏っているのは、雷門イレブンのユニフォーム。
「いつの間に……」
秋も苦笑いをして塔子を見つめた。
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作者名：フェイル | 作成日時：2014年8月1日 0時
