第13話 証明のための勝負 ページ13
「俺達はFFで優勝したッ、……!?」
「動かぬ証拠があるのに、往生際の悪い宇宙人ね」
言いながら、黒いサッカーボールを見やる。
確かに、これでは疑われても仕方がないのかもしれないが……
「何度言ったらわかるんだ! 俺達は、宇宙人じゃ、ないッ!」
「キャプテンの言う通りでヤンス!」
「俺達のどこが宇宙人に見えるんだよ!」
「疑うにもほどがある!」
仲間達があくまでも否定するのを、
私が前に出て制した。
「A……?」
守が私の名を呟く。
「あれ、A!」
そして、目の前にいる女の子が
驚いたようにそう叫んだ。
「久しぶりだね」
「本当だよ! まさかこんな所で会うなんてね!」
嬉しそうに言う彼女は、
私のことをちゃんと覚えていてくれている。
「ここに居る皆は私の仲間なんだ。
だから宇宙人ではない。信じてくれないかな」
「……Aの言うことは、信じてあげたいけれど……」
うーん、と唸ってから、
再び口を開いて挑戦的な笑みを
浮かべながら言った。
「そこまで言うなら、証明してもらおうか!」
「え?」
「あぁ、臨むところだ!」
「ま、守……」
私が止めるのも聞かずに、
証明という名の勝負が始まろうとしていた。
〜･〜･〜
「……で、なんでサッカーなのよ」
フィールドで作戦を立てていると、
夏未さんが嘆いた。
「さぁ……でも、やって損はないわ。大人相手に
彼等がどこまで戦えるのか、見てみたいの」
もちろん、
その会話は私達には聞こえていない。
「向こうが大人だからって、怯むな!
ピッチに立ったら、同じサッカー選手だ!」
「あぁ、どんどんゴールを決めてやる!」
「でも、相手が相手だけに体力的差がある。
ペース配分に注意しないと」
やる気十分な守と染岡君に対して、
風丸君が冷静になって言った。
「一体、どんなプレイをするチームなんだ……?」
有人が呟いた時、パソコンを
操作していた春奈ちゃんが声を出した。
「あった! SPフィクサーズ、大のサッカーファンである
財前総理のボディーガードでもあるサッカーチームです!」
「えっ!?」
「サッカーで体を鍛えてるってわけか……」
秋ちゃんと一之瀬君が反応する。
「相手が大人というだけでも大変なのに……」
「どうやって戦えば良いでヤンスかねぇ?」
「監督、アドバイスお願いするッス」
1年達がそう言って監督を見た。
私達も、つられて監督を見る。
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作者名：フェイル | 作成日時：2014年8月1日 0時
