第1話 宇宙人が来た? ページ1
──その数分後、奈々は無事退院した。
体の調子も、以前よりは大分良いらしい。
そして、急に母からの呼び出しがあった為
急いで家へ戻ってきたところだ。
「ただいま帰りました!」
「おかえりなさい、二人共……!」
そう言って迎え入れた母親の表情は、
非常に緊迫しているように見えた。
〜･〜･〜
「……宇宙人?」
奈々を父親に頼んで、
母親から聞かされた話に驚きの声を返した。
その内容はとても信じがたいもので。
「えぇ、そう名乗る者達がサッカーで勝負を
挑み、次々と学校を破壊していってるそうなの」
「サッカーで……」
衝撃の事実を聞いて言葉も出ない。
そんな時、私に突然襲ってきたのは激しい頭痛だった。
「うっ!!」
「A!?」
母親が驚いて私を呼ぶ。
あまりの痛さに、私は片手で目を覆う様におさえた。
……強く瞑った瞼の奥に見えたのは、
何故か、既に崩れさっている雷門中の姿。
しかもその視界が狭くなっている。
なにかしらの、レンズ越しに見ているような。
そして、周辺に倒れているのは元祖イナズマイレブンの人達。
耳に聞こえるのは、なにか地鳴りのように響く音……
それと共に、なにかが飛んできているような……
「円堂、危ない!!」
私が思わず叫んだ。
その一瞬後、有人の叫び声が聞こえて……
『円堂ーッ!!』
片目に見えていた景色も、
片耳に聞こえていた音も消えた。
「……守、有人……」
さっきのは、一体……?
「え……っ、それは本当なの!?」
ふと、母親の驚いたような声が聞こえた。
「ええ、確かに確認がとれております……」
その母親の前で、
遣いの者が言っている。
「……わかったわ、ありがとう……さがって下さい」
「失礼致しました」
言い残すと、
部屋の扉を閉めて行ってしまった。
「母さん……?」
「A、大丈夫?」
「は、はい……それより先程のは?」
聞いてみると、
母親は言いにくそうにして答えてくれる。
「それが、先程まで話していた彼等のことなのだけれど……」
「宇宙人の……?」
「彼等は、雷門中を破壊した次に……傘美野中学校へ向かったらしいわ」
母親は私の目を真っ直ぐ見据えて言った。
「雷門中を、破壊した……!?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フェイル | 作成日時：2014年8月1日 0時
