もう、遅いんだよ。【歌い手】

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志麻side





警察と救急車をセンラに任せて俺はAをみた。冷えきった手は12月の真冬を物語っている。こんなになるまで誰も助けられなかった。悔しい、悲しい、辛い。けれど、それよりもずっと辛い思いをしたのはAなんだって気付いた。Aの事情を知っていたのに、話しかけるのも虚しくてあんまり連絡を取っていなかった。








luzは、座りながらAを抱きしめていた。luzも昔アンチの人に嫌がらせを受けてその問題に歯車を止めたのは紛れもないここに居るAなのだ。luzはお姉ちゃんのようにAにベタベタやった。大好きなのだろう。俺も言葉に表せない感謝と大好きが沢山ある。









俺達は彼女の容態の深刻化を分からなかった。知らなかったじゃ済まされないようなことをした気分だった。ここまで追い詰めたのは紛れもない工藤葉月だ。俺は両目から溢れる涙が彼女に対する後悔の数を示した。








『俺よりも辛かったのはAliceなのに。気づいてやれんくてゴメンな.......』


『A姉ちゃん！！A姉ちゃん！！』








センラは立って唇を噛み締めていた。センラもセンラで彼女に対する思いは幾つもあったはずや。








ここで初めてわかった









大切な事は









失って気づくのだと








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